東京オリンピックエンブレム決定!
紆余曲折を経て、エンブレム決定である。最終候補で選ばれた4案が紹介されていたけど、その最終候補4案の直前の正式候補4案と予備候補4案で合計8案の内、既存のエンブレムと類似するものを除外すると3案しか残らず、最終8案の前の次点を繰り上げて4案としたのが、人の目に触れる4案だったそうだ。
この4案、A、B、C、Dの4案が発表された段階でA案で決まりという声も在ったようだが、このA案の単色デザインというのは、恐らく応募された1万5千点の中でも極僅かで異彩を放っていたのでは?と想像される。恐らく、殆どがカラフルな配色を多く散りばめたものだったと想像される。それ故に、最後に残った4案の内の1案が単色で目立ったというものだろう。1万5千点の中で単色でデザインされたものは1/4も無かったと想像する。
残りの3案はオリンピックをイメージさせる華やかな色であり、A対BCD的な構図に見えない事もないが、単色で応募された数を考えれば、その率に従って単色が一案残ったと言えるだろう。
個人的には、風神雷神、朝顔、和の中では、第一印象的には『和』が良いかと思ったけど、改めて見直すと、単色で単純な四角形を組み合わせて伝統的な図形に組み上げたA案は見つめる程に良いような気がする。一見、地味な配色に見えるけど、背景が白色前提で配色されたモノに比較すると、どんな背景色の上にでも貼り付ける事が出来て、そうすれば様々な表情に見えるようにも思える。シンプルであり、クールであり、日本的な和の佇まいであり、悪くないような気がする。
市松模様、チェッカーフラッグ、、、色々言われているけど、シンプルで明暗のハッキリしたデザイン、記憶にも残りやすい良いデザインだと思う。
個人的には、花札の『月』の絵札の下半分を富士山に変えたようなデザインがあれば、それが良いと思ってたけど、何かあるモノに手を加えたり、何処かで見たようなデザインの形を弄ったり、、、というものより、この度の組市松紋の方が遙かに良いと、今では思っている。これで次のステップに進める訳だ。
模倣的との批判で取り消された案に較べると、佇まい的に奥ゆかしく見えても、実は、色に溢れた街中では特に目に付くという意味では、随分と大人の案のように感じられる。
まぁ、著作者のカラーの違いだろう。取り消された案の作者は、パロディー系デザイナーという印象が強いし、決定案の作者は工業デザイナーという印象が強い。その人格がエンブレムの差として表れているように見える。オリンピックという行事の象徴という意味では、やはり特徴に伝統的な様式を載せる事に拘ったA案というのは、なかなかの作品だと言える。
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