懐かしのビンテージツイン
久々に、懐かしのビンテージツインを間近に見る事が出来た。
どっちも所有歴のあるモデルで、70年代までならツインの基本とも言える構成。最近のツインはパラツインなら270°位相クランクと相場が決まっているけど、昔は180°クランクが360°クランクが相場だ。
で、今日見たのは、180°クランクの初期型Z250FT、360°クランクのTX650だ。因みに、自身が乗っていたのはZ250FTは最終モデルで、これにセレクトの集合、バックステップ、コンチハンという仕様、GPZ250改305仕様、XS650SPLにスワローハンドル+バックステップというアメリカン改峠仕様というもの。
今日、両車の排気音を聞いて当時をモロに思い出した。
まずはZ250FT、、、、そうそう、180°クランクのばらついた排気音とクランクケースに納豆が入っているような粘りっこい苛つく回転上昇、、、4000rpm以上になると割と低振動で回るけど、パワーバンドを感じるよりも唸りながら上迄無理矢理回るとうい感じ。上に回るけど、パワー感が伴わない感じである。
先日、不等間隔爆発でVツインとの違いは?と考えたけど、今日聞いて思い出しました。そう、回転間隔が広いんです。それ故に、トルクの押し出し感が希薄なんです。これは過去のGPZ400S等に乗っていた時にも感じた感覚です。パンチ力を得るには一回のトルクの盛り上がりに欠けるんですね、、、、思い出したのは、Z250FTを買った時に雑誌のインプレで読んだ高回転まで軽々回る、、、、という話。でも、実際に180°クランクのモデルは、上まで回るけど唸りながら回る感じなんですね、、、、それでいてパンチ力を感じないのが問題です。回るけどパワーバンドを忘れてきた回り方。個人的には、180°クランクのツインは、もう選びませんが、そんな感じをモロに思い出しました。
次はTX650です。これ自身が短い期間持っていたXS650SPLを思い出しました。何処見て思い出したか?というと、アイドリング中のフォークのビビリ振動で前輪が振動する様です。
これ、振動がハンパありません。因みに、こいつはカウンターウエイト無しのクランクで、回転上昇は活発ですが、実際問題、上は使えません。常用できるのは5000rpm迄でしょう。マウントはラバーマウントでした。エンジン音は360°クランクらしく単気筒よりも周波数の高いビートの効いた排気音です。一説には180°クランクの方が高回転型と言われますが、個人的には360°クランクの方が高回転迄のレスポンスが優れる印象です。残念なのは、高回転まで回るのは速いですが、高回転を維持するのは厳しいということですね。回ってからは180°クランクでしょうけど、回るまでのスムーズさは360°クランクですね。このXS系のエンジンは錯覚させられやすいものです。振動が激しいのでトルク感がダイナミックと思うのですが、実はトルクの出方自体はフラットで穏やかです。中回転までのピックアップの優れたエンジンという印象です。基本は上を回すエンジンでは無いということですね。
因みに、このXS系エンジン、ヤマハ最初の4ストエンジンです。この振動の多さは致命的で、色んなところからのオイル漏れが止まらない、、、そんなエンジンでした。ただ、この振動の多さに魅了される人が多いのも確かです。今どき、これ系を維持するというと、結構大変ですね。そうそう、この弟分にGX500系ツインがありましたが、あれはヘッドを下すのにカムチェーンを切らないとNGというとんでもない設計です。この時期のヤマハツインはカウンターウエイトを忘れたXS系といい、なんとも問題児が多かったような気がします。
このピックアップの良さを活かして振動を極力減らしたツインがホンダのHAWK系エンジンです。自身は、360°クランクのエンジンで印象に残るエンジンはW3とSUPERHAWKⅢ改がありますが、世間の評価とは反対ですが、ベスト360°クランクのエンジンといえば、HAWK系エンジンと思います。
振動を抑え、フラットなトルクでレスポンス良く回ります。上の回転域も180°クランクのモデルと遜色なく回る印象が強いです。自身のHAWKⅢは、460cc化していましたが、360°クランクのツインで一番好印象です。
一言でいえば、180°クランクのパラツインは上の回転を維持しやすいけど、上の回転迄上がるのがカッタルイ、、、、360°クランクでは、上の回転に向かう回転上昇は俊敏ですが、上に回ったら維持できない、、、、そんな感じです。ロードコースなら180°クランク、ダートコースなら360°クランクという感じでしょうか、、、
パラツインの代表的なエンジンを久々に見ましたが、今パラツインをのるならば、、、、やはり同爆ツインでしょう。大きな単気筒を作る必然で存在意義を感じる事が出来るのは、同爆ツイン以外考えられません。同爆ツインということで、初期のW1には手を出す気はありませんが、Z750ツイン、或いは、Z400B(400RS)といったモデルが良いと思います。
Z400も一時期乗ってましたが、これはスペックは今一ですが、モロ単気筒という感じでなかなかのエンジンだと思います。
同爆の1000ccツインなんか出れば案外欲しくなるかも知れません。
でも、自身がツインを選ぶのは、峠で遊ぶパワーソースとして理想ということですが、そこに求めるのは、あくまでも優れたピックアップと下から上まで回るレスポンス、鼓動感は重要ですが、振動は不要です。ということで、やはりVツインが好み、、、改めて判りました。
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