スーパースポーツ進化論
レーサーレプリカの完成度、1KTの登場が新たな時代の始まりである。それ以前のレプリカ、GJ21A型RG250ガンマ~NS250R/F迄の時代と、それ以降では大きく時代が変わっている。
NS250R/Fも登場段階ではクラス随一のパフォーマンスであったのは確かだが、他のライバルモデルと拮抗していたのは確かだ。RG250ガンマ、RZ250R、KR250の中では優秀だったかもしれないが、TZRの登場は、それ以前のモデルを一気に過去のものとした。
TZR以降、NSR、VJガンマとレーシー度は過激さを増してゆき、その到達点がMC21/28型NSR、VJ23ガンマだろう。
250ccクラスでのレプリカクラスの分岐点はTZRである。
では400ccクラスはどうかを考えると、GSX-R、FZ400R、VFR400R(NC24)辺り迄は、新しい程の優れてはいたが、初代GSX-Rが登場した時ほどの飛躍は感じられないもの。TZRと同時代のFZRも然りだ。400ccクラスでは、異論があるかもしれないが、VFR400R(NC30)型だろう。750ccクラスでは、初代GSX-R750登場以降、大きく飛躍したのはホモロゲーションマシンであるRC30型で誰も異論は無い。
これらのモデルがレプリカ時代においてレプリカの進化の方向性を決定付けて、次に大きく時代を飛躍させたモデルだと思う。これ以降、レプリカの純度を高めていくといった進化は、250/400/750ccのクラスでは見る事が出来なくなり、1000/600ccクラスに引き継がれていく。それでも、それ以前のレプリカモデルの進化で見せた飛躍の鍵となるようなモデルは何か?というと、なかなかこれだ!といえるモデルは見当たらない。今のリッターSSの礎となったCBR900RRの評価も高いが、純度という尺度でみると過去のRC30等には及ばない。初代のYZF-R1にしても然りだ。2005年辺りのFI化にしても時代の要請に基づくものであり、走り進化に飛躍と迄は言えない。
そういう状態が長く続いてきたが、2014年登場のYZF-R1/MのIMU搭載による電脳化というのは、スポーツバイクの方向性を決める大きな分岐点になりそうだ。R1の登場以降、ZX-10Rが追随し、後に登場するCBR1000RR、GSX-R1000においても電脳化はマストアイテムとなりそうだ。RC30以降、実に30年経過したが、遂に次のステップにスーパースポーツが進化の歩みを始めたようである。
飛躍という意味では過給器が注目されているが、これが傍流とならず定着するかどうかは、今暫く見守って見なければ判断は出来ない。
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