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2016年5月17日 (火)

今時のカスタムはゴミ作り、、、

2000年以降、頻繁に見掛けるようになった二輪旧車のカスタムの傾向、基本、ゴミ作りにしかみえない。
因みに、2000年以降に旧車カスタムが流行った理由、、、、カスタムの99%が流用改だが、それ、貧乏人のゴミカスタムに過ぎないと思える程だが、それは流用もとの車輌、1988年以降の近代的な足周りを持った車輌が、スクラップの部品取りとして安価に流通しはじめたからだ。そんな廃車パーツを調達して組み付ける、、、これが流用改が流行った理由だ。何と言っても、安い、、、安く、見た目が近代的になる、、、、それが流用改の流行った最大の理由。

勿論、時代が新しいモノの製品品質は向上している部分も少なくないけど、それと同時に、用途特化させる事によってコストダウンも為されているのを忘れてはならない。
品質は向上しても、特化させる事で無駄を省いている。言ってみれば、本来の用途以外に対しての余裕、マージンは限りなく削られているのも事実だ。それ故に、見た目だけの安易な流用というのは、モノの持つグレードではカバーしきれない場合だって考えられるのだ。特に、足周りでは、単なるホイール径だけで考えるのは危険だったりする。
それだけでない。元々のパーツというのは単体ではなくトータルとして負荷を分担して担う事で機能したりする場合もあるのだが、極端なパーツのチョイスは、組み付けた後に、元々の厳しい部分に負荷が集中する事だって考えられるのである。

つまり、安易なパーツ交換は、パーツの機能不足に陥るか、或いは、他の部分への負担増大に陥るリスクが極めて高いと言って良い。
メーカーエンジニアとプロのテストライダーが吟味して作り出した構成、これを崩すというのは、相当な思慮深さが必要なのだが、コスト重視、見た目重視の流用改では、このような部分が相当に疎かにされているのが現状だ。

今時見掛ける多くのカスタム車輌、見た目的にはカスタムされていて派手な印象が見られるが、個人的には本来の良さを失ったゴミにしか見えない。カスタム好きではあるが、安易な流用改、改造のための改造、、、、そういうのは個人的にはNGである。単車の基本はノーマル。これが一番である。

仮にカスタムするならば、機能に影響しない部位のウエイトダウンに繋がるマテリアルチェンジとか、本来、そのモデル用にリリースされたオプショナルパーツに限定するのが一番。流用するならシリーズの上級車、高年式モデルからの流用とか、なお、足周りのジオメトリーの変更は基本的にNGである。この変更でコスト重視の選択が新たなる最適なバランスポイントに到達する可能性は限りなくゼロといえる。
パーツの交換で共用出来るのは、強度計算に従った規格部品が共通なモノに限定するのが良いだろう。ホイール交換なら、流用元の車輌の重量、機関出力が同等以上で、交換前後で使われているベアリングが共通であり、チェーンラインの変更が不要であり、そして、タイヤハイトが不変であるというのが最低限守るべきポイントだろう。そういう制約なくして見た目重視、コスト重視での変更は基本なNGだ。

そういう目で、今時の流用改を見ると、、、、99%がゴミといっても差し支えない。リッタークラス、大型クラスに削ぎ落とされた250/400レプリカの足周りとか、ちょっと考えられないのである。時代、世代を大きく飛び越した流用というのは、個人的には奇形製作にしか見えないのである。幾ら高剛性なスイングアームだからといって、長大なスイングアームを入れた旧車を見るけど、それってドラッグレーサーか?というような状態も少なく無い。ゴリゴリの倒立フォークを華奢なスチールクレードルフレームに組み合わせるのも、良く判らない。強引なタイヤのワイド化のために、かち上げルックス、激オフセットスプロケとか、、、、こうなってくると、何しているのか全く不明だ。

最近はZ1/Z2、初代忍者の流用改カスタムを多く見掛けるが、悲惨な改悪を見るに付け、設計者に気の毒な気がしてならない。

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