癌と筋肉
癌の予防法で確実に有効性が認められているのは、日常的な運動だそうだ。運動不足によって、大腸癌、乳癌の発生リスクは著しく高くなる。デスクワーク従事者と肉体労働従事者を比較すると、大腸癌の発症率は4倍も違うという。乳癌の場合、癌発症率は体脂肪と相関しているそうで、乳癌の癌化促進するホルモンは体脂肪からも生産されるという。
癌と運動の関連では、癌治療を受けた人の生存率調査では、筋トレで死亡率が33%低下したという報告もある。興味深いのは、癌予防に効果的なのは、有酸素運動ではなく筋トレだという。つまり、筋肉を多く身に付ける事が大事なのである。
ただし、何事もやりすぎは厳禁であり、過度な肉食生活や、タンパク質のみというプロテインに偏った摂取では、大腸癌リスクを逆に高めたり、或いは、血中における中性脂肪、LDL過剰となり心疾患による突然死リスクに繋がるので、度の過ぎた偏った生活が良くないのは想像できる。
因みに、筋肉は健康長寿には不可欠な要素でもある。筋肉は運動器として、体温を保つ熱源として、そして内分泌器官(生理活性物質マイオカイン)として作用している。こんな筋肉だが、加齢と共に筋肉が減少し筋力が低下する(サルコペニア)である。太股の前、臀部、腹部、背部の筋肉が落ちやすいが、30代から落ち始め、50代から加速して減少するのだ。筋肉が減少すると、歩行安定性が低下し転倒のリスクが増大し、移動能力が低下する。結果、引きこもり、フレイル、認知症に繋がる。更に、大きな筋肉の喪失は、体温維持機能が低下し、エネルギー代謝機能も低下、肥満・糖尿病に到り様々な合併症(脳血管性疾患、腎疾患、認知症)に到る。内分泌器官としての機能低下は、分泌するマイオカインの効果、動脈硬化の予防、肥満の予防、認知症の予防が失われるという。
しかし、筋肉は一日に為らずであり、無理をして怪我をしたら意味がない。よって、現状の筋量に応じた筋トレを持続的に行う事が大事。衰えた人には、スロースクワットのような方法が有効だという。
筋肉は、ありとあらゆる場面で効果的な機能を果たす。長寿、ガン予防、、、さぁ、みんな、筋トレをしよう!
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