シャフトの癖、縦置きの癖
BMW、モトグッツィなら共通する癖。国産ならGL/CX/ST/STX辺りも同じ。
この内、駆動系のシャフトドライブの癖、これはGTR、ドラッグスター等の横置きエンジンのモデルでも存在する。昔なら、GS-G、GSX-G、XZ、XJ、スペクター、ホライズン辺りがそうだ。
シャフト駆動の癖は、トルクリアクションと呼ばれている。これ、発進時、加速時に車輌後部が持ち上がったり、或いは、減速エンブレ時に車輌後部が下がる動きで、これはドライブシャフトの回転する動きが原因と言われている。
一部には、ドライブシャフトの回転で左右に傾く事をシャフト駆動車のトルクリアクションという人がいるけど、それは違う。ドライブシャフトの回転によってドリブンギア側が鉛直下方向への慣性を受けてサスペンションが突っ張ろうとする動きが出ること。体感上は、車輌後部が持ち上げられるような感覚になることである。逆に、エンブレ時は、後輪のギアがドライブシャフトによって抵抗を受ける状態となりサスペンションが縮む方向に慣性を受ける事で車輌後部が沈められるような感覚となる。
ただ、現実には加速時は重心が後ろによってリアダイブするので、それで相殺されるためか体感上は殆ど判らない。逆に、減速時はリアはリフト気味になるので、リアがダイブする反力が発生しても体感出来ないのが現実。
行ってみれば、車体の挙動をドライブトレーンの反力で打ち消しているとも言える。
一方で、縦置きクランクの癖は、重たいクランクシャフトの回転慣性によるもの。定回転では判らないけど、回転変動時に表れる。アクセルを大きく開けると、右に傾こうとするが、この動きが縦置きクランクのトルクリアクション。ただ、これを定回転時には全く判らない。アクセル開度を相当大きくして、大きな回転変動を与えない限り体感できない。
コーナーリング中のパーシャルスロットル時等では、トルクリアクションによる挙動は殆ど体感出来ない。
稀に、横置きエンジンシャフト駆動のXJ750E等でコーナリング中にアクセルを開けるとシャフトの癖で車体が起きるという人もいるけど、それは、トラクションオンで車体が立つだけで、シャフト駆動の癖とは別物。
縦置きクランクのメリットは定常運転時におけるクランクジャイロによる車体の安定性である。エンジンが回っている限り、車体は進行方向に対して水平姿勢を保つように作用する。ピッチング挙動が穏やかに緩和される。一方で、バンキングの際にはジャイロが邪魔をしないので旋回の切っ掛けが俊敏に行えるというメリットを持っている。
このように考えると、ツアラーモデルでは、シャフト駆動で縦置きクランクというのは一つの完成形的なパッケージである。ただ、縦置きクランクの場合、エンジン腰下部のメンテナンスは結構大変である。一端は全面でフリーアクセスだけど、他端はスイングアーム側でありエンジンを下ろさないとメンテ不能なのである。この部分のユーティリティが改善されれば、最強のパッケージだと言える。
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