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2016年6月16日 (木)

単車のフレーム

基本構造は、クレードルフレーム。昔は殆どのモデルがこの形式。重量車の場合はダブルクレードルフレーム、軽量車の場合はセミダブルクレードルフレーム。ホントを言えば、シングルクレードルフレームというのも有り得るが、実際問題、エンジンを抱える構造上、エンジンを支えるパイプが一本のみというのは稀で、殆どがダブルクレードルタイプのフレームである。
ダブルクレードルフレームでは、エンジンを抱えるパイプがネック部分から左右二本出ているタイプ、セミダブルクレードルフレームでは、ネック部分から一本のパイプが出て、途中から二本に分岐するタイプのものだ。
クレードルフレームの多くは、バックボーンパイプはセンターに一本のモノボーン構造だが、これが左右に二本で分岐したワイドループ構造のモノもある。ワイドループタイプのフレームは剛性が高まるが、その剛性を更に高める方向の進化として、ワイドループパイプがエンジンサイドを回り込んでヘッド部からピポット部に直線的に配置されて、アンダークレードルが省略されたものがツインスパーフレームである。ツインスパー形状でアンダーループを有したモノが初期の頃に存在した(GSX-R400、ZXR750R等)。

モノボーンでアンダーループを省略したものがバックボーンフレーム、エンジンサイドを回り込んでピポットとヘッドをスパーで結んだモノがツインスパーフレームだが、特に、エンジンブロックを車体の強度部材に利用したものがダイヤモンドフレームと呼ばれる。

単車の進化としては、部材の役割の多機能化による部材の省略、統合化が進み、エンジンブロックがスイングアームピポットに統合されたものがピポットレスフレームと呼ばれたりしている。

一方で、パイプ構成のフレームを面材で置き換えたモノコックフレームも存在し、過去にはNR500、ZX-12R等で見られたが少数派である。

オートバイのフレームとして何が適正か?というと、軽量、高剛性を突き詰めると、ヘッドとピポットを頑丈かつ軽量に結合するという意味ではツインスパーフレームが最適と言える。一方で、市販車においてメンテナンス性等を考慮した場合、その限りではない。
メンテナンス等でエンジンヘッドの開放のし易さ、シリンダー部分の開放のし易さ、クランク周り、ミッション周りのメンテナンス性を考慮すれば、エンジン自体に車体強度を担わせるダイヤモンドフレーム構造であるとか、ピポットレスフレームというのは、エンジンメンテナンスを行う上では非常に手間を要する可能性がある。

理想は、車体にエンジンを載せた状態で、腰上+ミッション周り、ダイナモ、クラッチ周りのメンテナンスが出来る方が望ましい。となると、ダイヤモンドフレームでは、下手するとエンジンを下ろさない限りは、腰上のメンテナンスさえも出来ない可能性があるし、ピポットレスフレームの場合は、エンジンを下ろした途端に車体として成立しない場合も有り得る訳で、極力コンベンショナルにパーツ自体が一つの役割を担った形の方が良さそうとも言える。

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