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2016年7月13日 (水)

ロール軸を意識する?

二輪車の旋回動作、基本はロールする軸を中心に車体を回す。この軸の地面との接点は後輪の接地点。この接地点からヘッドに伸びる軸を中心に旋回が進む。この軸を中心に車体がリーンする際に抵抗になるのが、フロント周りのディメンジョンとクランクマスのモーメントである。フロント周りのディメンジョンは、リーンアクションからロール軸がフロントの蛇角を作って生まれるフロントの蛇角に影響する。クランクマスのモーメントは、その大小、クランクの搭載位置、向きによってロール軸を中心としたロールへの抵抗度に影響する。これが基本だ。
自身の走り方は、直線の無いつづら折れの連続道路、勾配としては下り勾配、道幅タイトな場所が好きだから、この状況を滑らかにトレース出来る車体が理想である。つづら折れの道のペースを上げる程に重要になるのが、このロール軸を中心としたリーンアクションの切り返しに必要な入力の小ささである。小さな入力で旋回の向きを自在に変えられるのが理想である。そして、旋回角の大きな回り込んだコーナーで俊敏に向きを変えるには、その曲率に併せて自在に蛇角を生むことが出来るディメンジョンが必要ということ。

車体選びに色んな意見を聞くけど、自身が辿り着いた自分の乗り方に最もあったモノというのは、ロール軸を中心としたロール動作に最低の入力で最大の動きが生めるモノが理想である。リーンの阻害となるクランクマスは極力小さく、そして、ロール軸に極力近く、低い部分にクランクがマウントしてある車体、これが理想だ。ステップワークだけで車体が自在に左右に向いてロール軸の接地点を中心に車体が自在に旋回していくのである。

大きなクランクマスがロール軸の接地点から離れた高い位置にあるモノは、高速走行では相応の適正を有するだろうけど、中低速のタイトで切り返しの多い環境では、乗り手の理想に車体が追随させるには、相当に大きなアクションや、旋回中心であるリアの接地点をスライドさせるといったハイレベルな技量が必要となってくる。

以前も記事で紹介した事があるけど、ステップワークでイン側の足でステップな斜め下後方に踏み込む。すると、車体後半からリーンが生まれ、車体前半部の旋回が始まりフロントが自在に回っていくような動作が基本だが、極力小さな入力で車体が大きく動くには、フロントのディメンジョンと、エンジンの型式と搭載方法が重要なポイント。入力に対して俊敏に動くのは、基本的にホイールベースが短い時、そして、入力に対して大きなコーナリングフォースが生まれるのはキャスターが立ったモノ。車体の構成を頭に入れて車体を自由に踊らせて動かすのがポイント。こういう走り方で大事なのは、フロントの自由度を如何に保つか?ということ、フォークが自由に動く状態を作ってアプローチするのが大事。下りコーナーが好きだけど、下りコーナーで、このようなカットインを行うには、フォークが縮みきった後の反動で戻る瞬間を逃さず捉えてステップワークを入れること。これが大事。これでリズムを生み出して走るのが理想。
因みに、こういう乗り方、教習所的なニーグリップ命の走り方では実践出来ない。ステップワークで荷重を入れながらバンクさせない時は、腰を浮かせ気味に実質重心のみバンクさせて車体が起きた状態という形もある。バンク時において実質重心が車体内側に入る時というのは、路面状況、速度にもよるけど、相対的にグリップを確保したい時に行うけど、逆に大きな旋回性を得る時は、実質重心は車体外側に移したりもする。重心位置を何処に置くか?は、路面状況、重視するポイント(旋回重視?安定重視?)で臨機応変に切り換えるのが大事。

この乗り方、慣れる程に大きな蛇角を小さなモーションで生み出せるようになる。結果的に、不安定なバンク状態が短く、浅くなってくる。浅いバンク角なバンク状態が短時間で済むようになる程、安全になっていく。そうなるためには、大きな蛇角を生めるようなフォークの使い方であったり、初期旋回の作り方が大事。そこに注力して乗り込んでいくと、確実に、少ないモーションで大きな動きが作れていく。自身は、それを楽しむのが単車遊びの全て。

恐らく、多くのライダーはこういう感覚は持っていないように思う。こういう意識の乗り方というのは、相当にタイトなコースを走る訓練の積み重ねが必要ではないだろうか?ジムカーナ、トライカーナ、そういう乗り方を極めれば積極的に使わないと乗れないように思う。サーキットとか峠でブイブイでは、恐らく判らないような気がする。

或る程度の領域に到達すれば、直交する脇道から本線への合流時の運転動作、十字路で一時停止直後の左折動作なんかを見れば良く判る。スタート直後から旋回動作が始まり、そうでありながら、中央線よりに車体がはらまない。こういう運転ができる人って少ない気がする。
通常の旋回時には、アプローチ前の減速時に車体の体勢を作る。その態勢は、旋回状態を作る姿勢に最短時間で到達し、最短時間で終了させるための体勢。狙った蛇角に一発で到達させて、極短時間で蛇角を生んで、後はサッサと加速してロールを治めるだけである。
スムーズな乗り方というのは、減速モーションも一定で最小、加速モーションも一定で最小、不安定な状態が最短というものである。

ただ、旋回動作をこういう意識で行っている人は、そんなに多くないような気がする。こういう動作が高みに向かう程、公道ではブレーキランプが点かなくなり、そしてブレーキパッドも減らなくなったりするモノ、、、、そういう風に考えている。

以前、記事にも紹介したけど、テールランプが壊れているよ!的な感想を後続車輌から受けるのは、自身にとって一種の誉め言葉なのである。

未だに、スポーツバイクで速さに自信をもったり、自慢する人も多いけど、自分の場合は、単車で遊ぶ際に於いては、速さは全く求めていない。瞬間で、上手く回れた?という満足感が得られるかどうかである。

上手く回れた?って思うのは、後輪の接地点から伸びるロール軸を中心に車体のロールを生み出して、フロントを綺麗に追随させて理想のバンク状態を作って、そして立ち上がるという動作が思い通りに出来たかどうか次第である。そこで大事なのは、やはり常に尻を、旋回の基準位置となる支点のロール軸の接地ポイントを基準に身体を動かすという意識なのである。

 

因みに、いろんなセッティング論があるけど、自分の場合、こういう風に走る上では、基本ノーマルで何の問題も感じないので、ポジション以外で何かすると言うことは稀。リアサスがオーリンズとか、無用に伸ばしたスイングアームとか、、、良く判らない。リアサスについて、ノーマルで不満を覚えた事は未だかつて一度もない。トラクションを掛ければ沈み、ブレーキングしても浮かなければ基本的にOK。リアサスをかち上げるのは、スプロケ、ピポット、アクスルの位置関係が変わるので行わない。特に、リアをかち上げると、リアの動きが悪くなるので絶対無い。リアの伸ばすのも無い。加速には有利になるかもしれないが、ロール時の接地感が掴みづらくなるので嫌。

フロントサスについても基本的にアホみたいな高剛性は不要。何故ならば、、、直線部分で速度を出していない。速度の納め方は程々である。フォークに大きな負担は掛からない。フォークを沈め、伸びる瞬間にカットインさせるわけで、ロール軸の接地支点から見て最遠部のヘッドを綺麗に回す時は、重要なのは、フォークの伸び側の追随性である。クイックなS字の切り返しでフロントが離れる事が過去にはあったけど、そういう局面の回避というと、やはり大事なのはフォークの追随性が命である。ということで、今流行のかち上げスタイルでフロントに荷重を寄せてフロントを純正外サイズの小径化したようなパッケージでは、フロントの荷重が抜けきれず、ロール軸を意識した旋回動作が上手く出来なくなるように思えるので、そういうフロントのカスタムもNGである。

この記事の完全版は、メインサイトのAnotherWorldコーナーにあります。

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