Vツイン
このイメージは人によって大きく異なっている。イメージが異なる理由、それは同じエンジン形式でも作り方によって大きく異なるものだからだ。
Vツインというと、アメリカンの代名詞である一方で、ツインスポーツの代名詞でもあるのだ。どちらもVツイン。しかし、全く異なるものである。一方は、回転数は上がらず、全域でドコドコと太いトルクを提供してくれる存在、そして、一方は回転上昇が滑らかで全域でフラットトルクを提供してくれる存在だ。
それぞれのVツイン、並べてみると、或る傾向が見えてくる。
一般に、エンジンが高回転型か否か?の判断は、ボアストロークで見ることが出来るけど、単室辺りの排気量が大きくなると、数値上のボアストロークだけで、その判断が必ずしも当て嵌まるとは限らない。
では、何で判断する事が出来るか?というと、Vツインで言えば、Vバンクの挟み角で判断することも可能だ。Vバンクが変わることで爆発間隔と一次振動が変わってくる。
高回転型に向かうとVバンクは90°のショートストロークエンジンに向かう一方で、低回転鼓動型に向かうとVバンクは60°以下の狭角のロングストロークエンジンに向かう。
スポーツツインはVバンクが90°のバリバリのショートストロークエンジンが多く、ボアストローク比で言えば、0.7以下となっている。スポーツツインといえば、国産ではホンダとスズキしか無いけど、何れも似たような構成である。
クルーザー等でドコドコトルクを演出したモデルの多くは、Vバンクがヤマハでは48°、ホンダでは52°、スズキでは45°、カワサキでは52°となっている。ボアストローク比でみれば1.2前後と、やっぱりロングストローク型だ。特に、各社のフラッグシップクラスは、このようなエンジンディメンジョンに帰結している。
興味深いのは、この中庸のレイアウトのVツインだ。現在はミドルクラス以上ではラインナップされていないが、Vバンクでいえば90°に近い75°前後、ボアストローク比で言えば0.8以下のモデル。多くは中小排気量だが、中大排気量でも存在する。振動も程々少なく、そして比較的高回転迄使えるモノが多い。正に中庸なキャラクターだ。
現在ラインナップされているVツインは、個性を際だたせるためか、クルーザー系の狭角Vツインモデルか、スポーツモデルの90°Vツインモデルが多い。逆に、Vツイン創成期である70年代、80年代初頭のモデルは、中庸なモデルが多かったようだ。
同じツイン、同じVツインでも、どのVツインが好みかによって、恐らく、ユーザー層はガラッと変わるだろう。
自身、Vツインが好きだけど、好きなのはスポーツツインよりのモデル。間違ってもVバンクが60°以下の狭角Vツインのドコドコ系は好みでは無い。
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