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2016年9月 9日 (金)

中古バイクの買い方

オートバイを購入する、、、間違いが無いのは新車を買うこと。新車であれば、取り敢えず、どんな店でもメーカー保証が付く。それ故に、余程に酷い店でもなければ、モノで失敗することはない。車でも単車でも、調達可能なら新車がベストだ。
少しでも安く、、、というのなら、ショップ毎に異なるサービス、値引きで判断することになる。サービスよりも兎に角値引きという考え方もあれば、値引きは程々でもサービスや技術が、、、というなら、それに拘って店選びをするのも良いだろう。

基本、新車で売っているモノを中古で買うのは止めた方が良い。ただ、場合によっては中古車を買わざるを得ない場合もある。それは二つのパターン。一つは、新車で販売されていないモデルを買う場合。もう一つは、絶対的な予算が限られている場合だ。

まず、一つ目。大事なのは店選びだ。中古車を買う場合、快適な単車ライフを手に入れることが出来るか否か?というのは、単車が商品としてキッチリ整備されて機能しているか?が重要。そもそも、中古車というのは前所有者が要らなくなったから市場に出てくるモノ。要らなくなった理由、それは、飽きた、壊れた、調子が悪くなった、、、、といった理由である。飽きたというだけで市場に出てくることは稀で、何らかの不具合を抱えている事が多い。不具合を抱えずとも、使われてきたという事実を鑑みれば各部が消耗しているのも事実だ。市場に出てくる商品として考えれば、不良箇所の修理、損傷部品の交換、消耗部品の交換が為されているというのが非常に重要なポイントである。

しかし、この重要なポイントを抑えた商売をしているバイク屋さんばかりか?というと、必ずしもそうではないのが実状である。新車のコンディションを100%とする。これがコンディションを失って中古市場に出てくるのだが、右から左で売るだけの場合、前オーナーの感じていた不具合の状態からスタートする。仮に、コンディションが50%の状態で売られていたとすれば、この状態からスタートするのである。中古車は新車には敵わないが、前オーナーが感じていた不具合を解消するのが商品として仕上げるための整備である。ただ、中古車であるかぎりは、50%に落ち込んだコンディションは、どう頑張っても新車の100%には戻らない。仮に、戻すことが出来たとすれば、それは新車以上の価格となるのが現実である。中古車として健全な商品というのは、中古車の不具合を解消する整備を施し、新車の80%のコンディションなら新車の80%で売られているというモノだろう。不健全な商品というのは、新車の50%のコンディションなのに80%の価格で売られているもの。逆に、お得な商品は新車の80%のコンディションなのに50%の価格で売られているもの。と、そんな感じである。

ただ、どんな商品に巡り会うか?は出会うショップ次第というのが、単車業界ならではのリスクと言える。自動車の新車ディーラー、メーカー系中古車販売店とは大きく違うのが、この単車業界である。

単車業界というのは、自動車的なモノを扱う一方で、業態は個人の看板で商売する小売店的な業態が特徴。自転車屋さん、プラモデル屋さん、個人経営の本屋さん、、、と同じ様なお店が多く、その一方で、他の業種の小売店より、参入を容易に考える人が多い傾向が強い。それは、単車という商品が、実用色より趣味色が強いのが最大の要因。単車好き、単車遊びが講じてショップ経営に乗り出すというパターンが多いからだ。

1980年代のバイクブームの時代では、市内大通りにでれば、見える範囲で複数のバイク屋さんが乱立するような状態だった。乱立したバイク屋さんは、バイクブームの衰退とともに、消え去っていったのが現実。
そして、バイクブーム衰退後の現在、残っているバイク屋さんは、どんなバイク屋さんが多いか?というと、衰退するバイクブームの中でも利益を上げることが可能なビジネスモデルを作り上げることが出来たバイク屋さんだろう。
人間的にも、技術的にも優れているバイク屋さんは圧倒的に少ないと言える。人間的、技術的に優れるバイク屋さんの商売を実直に行えば、恐らく儲からない。儲からないと、人間続ける事は出来ない。バイクブームの到来で、昔ながらのオッチャンが営むようなバイク屋さんの多くはブームで参入した若い経営者が営む派手なショップの出店で消え去っているのが現実だろう。

で、今残っているバイク屋さんって、どんなショップ?というと、やはりビジネスモデル的に利益をしっかり出せる形態を作り上げたショップだろう。

一番多いのは、大量の中古在庫を抱え、店舗数を拡大し、大量のスタッフで大量の商品を売りさばくモデル。今時では、インターネットを使った通信販売も重要な販売手段となっている。経営資本が大きいために、客単価を上げて、利益率を上げるのが至上の命題となっている。利益率を上げるには、安く仕入れて、極力工数を掛けず、そして高く売るというのが必達事項。機能回復には必要最小限の補修にトドメ、原価の掛からない磨き上げ、クリーンナップを施して高く売るというパターンだ。
こういう形態のビジネスモデルで商売を行うショップは非常に数が多いが、その中には、黒い噂を聞くことも少なく無い。全ての、そういうショップが黒い噂の元となるような作業を行っているとは限らないが、、、、

他には、メーカーの看板を一社のみ揚げている個人経営のショップ。ただ、ショップにも系統があり、比率的には新車販売が主なショップと、中古車販売が主となっているショップがある。中古車販売が主となっているショップでは、複数の従業員を雇っている場合が少なく無い。

最後が、看板を揚げていない個人経営のショップ。傾向的に小規模で、中古車の在庫、新車の展示車は置いてない場合が多い。バイク屋さんといっても販売店の体裁は摂らず、自動車業界で言えば整備工場に近い修理メインのショップ。従業員は店主のみの場合が多い。

お店というと、この3パターンに分けることが出来ると思う。

で、どんなお店がお奨めか?というと、自分の経験に基づく個人的な感想から言えば、1メーカーの看板で商売する個人経営のメーカー専門ショップ。ただ、基本は新車販売のショップが良い。中古車販売が主の場合、経営規模が大きく、チェーン展開しているショップに近くなるのでお奨めしない。あとは、独特な雰囲気を受け入れるなら、看板を持たない個人経営の修理メインのショップ。これがお奨め。

メーカーのディーラー権を買って商売しているところは、それこそ、酷い商売は出来ない。経営資本の維持と客単価から逆算すれば、華やかすぎるショップというのは、掛けるべき経費が商品に掛けられていない印象もあるので、個人的には敬遠する。

中古車を手に入れる、今の時代はインターネットが普及して、全国の在庫がチェックできるようになっているけど、、、こういう在庫を見付けて遠方から購入するパターンも少なく無いが、こういう買い方は、どちらかと言えば避けた方が良いような気がする。
インターネットで検索可能な全国の在庫車両の情報、これは、入手性の判断と相場を判断する程度に利用を留めるのが良いと言える。
そもそも、インターネット通販で中古在庫車両を販売するショップというのは、先に分類したショップで言えば、冒頭に紹介した中古車を多く取り扱うショップ群に属する。ということで、ショップ自体の経営指針が不明。中古車を多く取り扱うショップでの主流派と言えば、やはり入荷車両を仕上げる時の工数を低めに抑えがちで利益重視傾向が強い。遠方から買う場合、後の不具合対応等でも苦労しそうである。

中古車探しは、お店を決めた上で、店主と相談して気長に行うのが一番だろう。

今の時代、どんなバイク屋でも業者オークションに入っている。そこで、条件の合いそうなモノを探して貰うというのが一番良いような気がする。

並んでいる在庫とか、インターネット通販での車両に飛び付いて、在庫しているショップから買うっていうのが一番良くないパターンのように思う。

(完全版はAnother Worldへ)

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