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2016年10月 1日 (土)

GPライディングスタイルの変化

GPシーンの映像を見ていると、昔のそれとは大きく変わってきたなというのが正直な印象だ。
自身がリアルタイムでGPを観戦してきたのは、1980年代以降である。1970年代のGPシーンというと、少なくとも動画でリアルタイムで見た記憶は無い。
1980年前後の映像で記憶に残るというと、片山敬済、ウンチーニ、ルッキリネリ、サロンというライダーで、どちらかというとリーンウイズ気味で非常にスムーズなライディングというのが印象である。素人が見ての勝手な印象だが、この時代というのは基本はタイヤのメカニカルグリップに大きく依存したライディングスタイルという印象。

しかし、この時期に表れた驚きのスタイルというのがケニー・ロバーツだ。所謂、ハングオンスタイルの完成形とでも言えるフォームで、当時のGPの映像を見ると、他のライダーとはラインが大きく異なるのが特徴的な印象である。
このケニー・ロバーツの登場前後で、ライディングスタイルのスタンダードが大きく変わったように思う。ケニー・ロバーツ登場後は、それまでのライダーの多くが、そのスタイルを取り込み、それがスタンダードになっていったのでは無いだろうか?
印象では、メカニカルグリップを最大限に高めるために、トータルでの重心位置をコントロールし始めた時代という印象だ。

ケニーのスタイルを更に推し進め、車体を安定させるために膝の接地度合を更に高め、ラインの自由度を飛躍的に高めたスタイルのように感じたのがフレディー・スペンサーである。この時代は、強大なパワーを伝えるためには、グリップ主体の走法では成り立たなくなり、スライドさせながらも結果的に前に少しでも進める方向に向かった時代であり、滑らせてロスが生まれても結果的に速ければOKという走り方に見える。このスタイルが近代GPの基本的なスタイルのように見え、この時代は非常に長く続いている。

そんな時代の次を示しているように感じるのが、マルク・マルケスだ。彼のライディングは、1980年前後にケニー・ロバーツが登場した時のようなインパクトを受ける。ロバーツスタイルの最後の伝承者がバレンティーノ・ロッシ、マルク・マルケスは次の次元のライダーという印象だ。重心を大きく内に落とし込むスタイルながら、そのバンク角は尋常ではない。それを実現するのは、大きく向上したグリップ力を実現するハードウェアだろうけど、グリップを最大限使いつつ、さらに過剰なパワーを前に進めるためにパッケージを更に不安定な状態に迄、追い込んでいる。追い込んで不安定になった車体を安定させるために、前後輪から離れた接地点を使う事で車体のブレークを阻止している。
これは、車体のブレークを膝で阻止していた時代に比較すると、前後輪より離れた接地点を肘擦りによって得る事で車体の安定を更に図る事が可能となるが、このような接地によって車体を安定させる事が出来るのは、劇的に進化したタイヤ、シャーシによるグリップ性能の賜物だろう。それを余すことなく使って肘擦りというスタイルを実践出来るマルク・マルケスは正に新時代のライダーと言える。マルケス以降、このスタイルの実践者としては、マーベリック・ビニャーレスが注目。勿論、ロッシ以前のライダーも、このスタイルを自己に取り込んでいくだろうけど、恐らく、新しいスタイルを編み出したマルケス、ビニャーレスといったライダーが今後のGPシーンをリードしていくのでは無いだろうか。

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