コミューターの系譜
BT1100は、アメリカンであるドラッグスター1100のエンジンをそのまま使ったロードスポーツ。扱いやすいポジションに低速型エンジンで、低速域中心の日常で扱いやすさを狙ったモデル。
個人的には、このようなモデルが国内街乗りでのベストと判断している。
具体的にはスタンダードポジション+アメリカンのエンジンという構成。それで、自身のCX改は、自家製だけど、同じ構成。
BTを購入して、CXを作ってきたけど、これと同じ系統の純正車両にどんなものが在るか?を振り返ってみた。
近年、ミドルツインが花盛りだけど、やはり速度レンジが少し高めである。SV、MT等を見ると国内限定ならチョット違う。現行モデルでは何があるか?というと、これはホンダのNC700/750Sがベストだろう。扱いやすくコンパクト低重心設計、そして低速型エンジン。遡ると、案外少ない。思い付く存在としては、1990年発売のスズキのVX800だ。ただ、この両車、良い線迄行ってるんだが、低速専門で、中低速となると低速の滑らかな回転からの立ち上がりの部分で緩慢さが残る。排気量の問題でなく、エンジンの吹け上がり方で、もう少しメリハリが欲しいところ。
で、更に遡っていくと、、、シングルのカワサキのZ250FSに辿り着く。これは1980年頃のモデルだ。これ、排気量は小さいけど、低速で力強く、エンジンがトルクを維持する守備範囲が広く案外面白いのである。他にはXV750E、GL500といったモデルのエンジンも十分な低速トルクと滑らかな回転上昇が特徴だ。自身の印象での極めつけは、ホンダのHAWK系だ。低回転から高回転までフラットなトルクを発揮するツインとしては、当時としては図抜けていたように思う。基本、1970年代後半以降のモデルは、何れも低速トルクが太く、エンジンの守備範囲が広く、比較的滑らかに回るけど、HAWK系のエンジンの完成度が最も高かったのでは無いだろうか?GS系は回るけどトルクの線は少し細かったし、Z400RSは、低速トルクはソコソコあるけど、回転上昇には重苦しさが残っていた。GX系も然りだ。それ以前のモデル、例えばヤマハのXS/TX650系、カワサキW系だけど、何れも回転上昇が滑らかか?というと、どちらかというと荒々しさが全面に出ており、幅広い回転域を常用するには躊躇してしまうキャラクターだ。求める性格がコミューター的乗りやすさの場合、若干外れるのである。
コミューター向け、低速型ながら上迄滑らかに回り、フラットトルクでパワーバンドが広いというのは、実用的には最高なのである。エンジンの構造上から共通点を見出すと、、、ツインとかシングルで低速トルクを維持しつつ、どちらかというとショートストロークエンジンで回転上昇も滑らか、そして、振動を消すデバイスや構造が採用される、、、そんな方向性が共通点。
過去を振り返ると、そういう構成のモデルは非常に少数派のようだ。まぁ、趣味性の高いオートバイというジャンルの中では、支持を得にくいのかもしれないが、実用性能を求めれば、実は結構面白い存在なのである。
現代のモデルだとNC750Sが一番理想に近い。ただ、個人的にはコミューター=ずぼら、そういう意識が無いので通常のMTモデルが継続されて更に熟成されれば結構期待できるかもしれない。
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