単車の主治医を偲ぶ
自分の単車のメンテをお願いしていた友人が亡くなって久しい。
もう十年以上経っている。
けど、今になって彼の仕事の丁寧さに、改めて感銘を受ける。
今の愛車の内、SV、BT以外は彼の元でメンテを行ってきたりした。
メンテナンスをお願いして戻ってきた時、或いは、車両を引っ張ってきて貰って購入した時、後に自己メンテナンスを行っていき、自分の予想を超えた部分に迄、丁寧に手が加えられ、後に、驚かされた事は多々ある。
彼の整備の特徴は、目に見えないところ迄完璧に、、、、そして、走行機能に直接関係があろうが無かろうが、基本的な構造、構成は、必ずといって良い程、純正の健全な状態以上に仕上げてくるところ。一寸したステー一つ、ボルト、ナット、ワッシャの一つ迄、フィッティングする場所への適性度を考慮した選択をする所である。モノを固定するにしても、単なるボルト&ナットで締めるというものではない。メンテナンス時にナットが固定出来ないよう箇所では、ナット側を相手材に溶接固定して防錆して、後のメンテでボルト、ワッシャ、ナットが崩落しないような形で整えていくのである。
機関整備、車体整備という部分では、彼以外にも丁寧な作業をする整備士は多くいるけど、それ以外のアクセサリー部分等にも、重要部分と同等のクオリティで仕上げてくるのは圧巻である。
彼が旧車をレストアする際のレストアの仕上げ方は圧倒的であり、今なら、ディスカバリーチャンネルの名車再生のコーナーのような仕事を普通に行うのが圧巻である。部品が無ければ作ってしまうのは当然だが、朽ち果てた部品であれば、それをベースに朽ち果てた箇所を全て板金等で作り替えて置き換えて、そして成形再生というのもザラである。
レストア、カスタムでは本領発揮である。
自身の愛車のカスタムでは、こちらで図面を作り、パーツを製作した上で、一緒に組み付ける作業等を行ってきたけど、そんな縁で、図面製作の上で、必要なパーツを作ったり、或いは、フレーム補強には、補強したい箇所の歪みを測定して、どんな補強が有効か?なんて事を一緒に計測したりして補強を入れたりしてきたけど、、、、こういう人は、稀なんだろう。
ただ、こういう人にお願いしていると、これが普通というイメージになるのである。
そういう印象で、この世界を見つめていると、修理依頼して仕上がった状態を見ると、これは無いだろう、、、、という状態に遭遇する事も少なく無い。
そういえば、彼の息子もいい大人になっている頃だ。オヤジの跡を継いで整備士になるといっていたけど、どうなんだろう、、、
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