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2016年12月11日 (日)

整備スキル

単車の整備、異常箇所を直すのは、実は簡単。
難しいのは、不調を来す原因を究明する事。これが一番難しい。原因究明で難しいのは、不可解な症状程、或いは、見慣れない症状程難しいのである。

色んな症例を紹介してみる。
まずは、BT1100に於けるウインカーの動作不良だ。原因は接触不良だが、何故に接触不良に陥ったか?
これ、最終的な結論は、バッテリーケースに取り付けられたリレーユニット、ヒューズボックスのコネクター部分の接触不良だ。普通なら接触不良など起こさない箇所なのに、どうして?
それは、バッテリケース上のバッテリーの走行振動によるガタツキが原因。これで、コネクターの接続が緩くなっていたのだ。なぜ、ガタツキが生じたか?
それは、バッテリーを固定するための、バッテリーボックスの蓋(カバー)部品が取り付けられていなかったのが原因。
そんなパーツ、納車時には装着されていないので、まさか欠品とは想像外。欠品しているというのは、バッテリーボックスのダボやネジから推測出来たのが解決の鍵となった。
こういうパーツ欠品を見抜くのは、相当に難儀だ。

続いてもBTネタだけど、走行時におけるヘッドライトユニットからのキシミ音。原因は、光軸調整の不良が原因。ユニット自体を微妙な角度となるようにネジでラバーを介して固定してあり、さらに、アクセルワイヤーの取り回しが間違いで、ハンドル角度によってワイヤーがライトユニットに力を加えていたのが原因。原因、アクセルワイヤーの取り回しミスと、それから光軸調整方法の誤り。光軸調整用アジャスターの不良部分を修正し、ユニットをしっかり固定した上で、欠品していたアジャスターと連動するリフレクターのガタ留めパーツを流用して解決。これも、、、、ライトユニット内の光軸調整用アジャスターの構造を把握しないと解決不可能。

故障ではないけど、BTネタで、フロートチャンバーのソレノイドバルブの役割の理解。これも、ソレノイドバルブで何を制限しているか?を見て、破綻の無い理屈を組み立てないと無理。キャブ車の排ガス規制対応が難しいので流量を防ぐという話を聞いたけど、そもそも、電磁弁がエンジン状態に応じて機敏に動く構造ではない。メインジェットへの燃料制限となると、基本は全開時における流量制限デバイスだ。一言で言って、、、速度リミッター以外考えられないけど、これも然り。

同様に、BTネタで冷間時始動でチョークを引いて高めのアイドリングを行わせると決まって20秒でエンジンストップ。何度繰り返しても同じ。同じように、キャブ車で排ガス規制車はガスが薄いので、チョークを引いて始動すると直ぐ停まるという話を聞いたけど、それなら、その後の再始動は被ったりするのでは?ということで納得出来ず。
色々調べると、エンジンストップは電気的な制御に寄っている。再現性有り、そして、エンジン回転数が高い時だけ、、、、で、結論は、ドイツでは、暖気アイドリングが法的に禁止されているそうで、相当寒い時で30秒以内とのこと。法規制化は21世紀以降ということで、その対応の結果といえる。

最後は、SVの不調で、これは、走行すると決まって7000rpmで糞詰まりになっていた。
燃料供給不足?二次エア?電気的な制御?と調べた、一つずつOHを行った。
キャブのOH、ダイヤフラムの交換、燃料ホースの交換、コックのOH、インシュレーターの交換、スペアCDIと交換、、、何やっても問題は解決せず。
結果、、、、、実は、燃料タンク裏のスポンジが剥がれ掛けており、エアクリの吸入圧力が高くなった時にスポンジが入口を塞いでいたのが原因。こんなトラブル、、、、普通なら見付ける事は不可能。

以上は、ここ一年で遭遇したトラブル、疑問だけど、当然、これらの問題は、色んなショップに相談したりしたけど、結果的に正解はゼロである。
こんな疑問、非常にレアな疑問、稀な症状だけど、そういう稀な事態に対応出来るかどうかが、ホントの意味でスキルが有るか無いかの判断材料になると言える。

因みに、一番苦労したのは、SVの不調解消。
勿論、今はバリバリ絶好調である。

この一年、自身の整備スキルを改めて見直す良い一年となったと思う。

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