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2017年2月 8日 (水)

専門家?

趣味にのめり込むと、その世界についての物知りになるのは当然と言えば当然。そんな世界の事象の専門分野の話に異様に詳しい人も数多くいる。中には、専門家顔負けの知識を持つ人もいる。
だけど、専門家顔負けの知識であっても、所謂専門家の有する学術体系の上に成り立つような論理だった専門性を持つ人は殆どいない。まぁ、当然と言えば当然である。
遊びの世界から関心を持ち、その中の一部の事象への関心が切っ掛け知り得た知識も当然価値あるものだけど、その世界を理解するために、その世界を理解するに必要な学問体系を基礎から学んできた人の持つ知識というのは、次元も専門性も全く異なるもの。

ただ、色んな趣味、特に自転車、単車といった技術が根底にある世界では、遊びの世界から入り、物知りになった人は非常に多く、大きな自信を持つ人も少なく無い。まぁ、趣味の世界、遊びの世界だから、その知識を自己完結的に利害関係無しで駆使するのは全く問題無い。ただ、その知識っていうのが、果たして、その世界において真実かどうか?というと、必ずしも正しいとは言いきれない。その知識や情報の質は何に左右されるか?と言うことを考えれば一目瞭然である。知識や情報の源泉、これが、その世界の学術体系に基づいた基礎知識を積み上げた上の専門分野の知識や、論理形成の手順を踏んだ手法で生まれたものであれば、情報や知識としての価値は確かなモノと言えるが、○○の世界で実績を残した○○さんが言ったとか、専門書ではない雑誌等の記事に記載されていたとか、経験に基づく推論に基づくといったような表現が根拠の場合、100%正しいとは言いきれず、寧ろ、勘違い的な事の方が多いのである。

一寸した事、例えば、破損や破壊にしても、その原因究明というのは簡単ではない。様々な可能性を検証しなければ答えには辿り着かないもの。可能性の決め打ちというのは基本的に出来ないものである。一つの原因を究明するには、可能性があれば、全てを認めた検証が必要となるものである。
色々な機構、システムについても、それを理解する事は簡単ではない。理解する上で重要なのは技術に対して真摯な姿勢だったりする。

事象や技術に対して謙虚さを持つ事が、こういった世界において知識を磨くのに必要な資質といえる。そういう風に考えているが、人と話せば、『あぁ!それって、簡単!』ってノリの人も多いけど、そういう人に限って、色んな可能性や本質を見落としがちである。

職業柄、ありとあらゆる可能性を排除せず、全てを検証するというスタイルを貫くけど、そういう視点で、専門外の遊びの世界のマニアさんと話したりすると、結構、首を傾げる事が少なく無い。

まぁ、それでも趣味にのめり込んだマニアさんが、各自の世界で自分だけで楽しんでいるのには、誰にも迷惑掛けていないし全然問題無いけど、その自信が溢れすぎて周りに飛び散ったりする場合もある。それは仕方ないけど、周りの人は、その情報の精度と確度をしっかり見極めて接する事が大事だ。間違っても、検証無しで、それを情報源として他に伝播させないようにするのが大事。

ただ、そうやって拡がる話で伝染力が強い話が、都市伝説的に広まるのだろう。

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