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2017年2月19日 (日)

Vツインの縦置きと横置き

縦置きと横置きの区別は、車体の進行方向に対してクランクシャフトが同じ縦方向か、横方向か?で判断する。単車の場合、縦置きの場合、基本はシャフト駆動車が多い。横置きの場合は、スポーツモデルではチェーン駆動、ツアラーの場合はシャフト駆動もある。
縦置きクランクの場合、クランクシャフトの発生するジャイロが、ピッチングや車体の前後揺れは抑えられ、車体のバンキングの際の抵抗には寄与しないという特徴がある。
この特徴によって、車体のノーズダイブ、フロントリフトが抑えられ水平が維持されやすいために、柔らかい足周りでも車体が安定しやすいという特徴を持つ。車体が常に路面に対して水平を保とうとする特徴は、車体のメカニカルグリップが高い事を意味している。更に、車体ジオメトリーを安定サイドに設定しても、車体のバンクには抵抗となるジャイロが作用しないので、非常に軽い操作によって車体をバンクさせる事が可能である。
縦置きクランクを実現するエンジンレイアウトは、モトグッツィを代表とする縦置きVツイン、BMWのボクサーツインが有名だ。因みに、多気筒エンジンでは、BMWのKシリーズの直列三気筒、直列四気筒エンジン、ホンダのST/STXシリーズのV4縦置きエンジン、ホンダのGLシリーズでは水平対抗4気筒~6気筒モデルが存在する。
三気筒以上のマルチエンジン車は、概ねクルーザーモデルばかりで、車体の安定性寄与にエンジンレイアウトが役立っている様子だが、二気筒車のモトグッツィ、BMWのRシリーズモデルでは、バンクにジャイロが邪魔しない事による優れた運動性も活かされている。

では、横置きエンジンではバンクにジャイロが影響を与えて運動性能が今一か?といえば、必ずしも、そうではない。
Vツインの場合、クランクシャフト自体が短いために、横置きに配置されていても、その影響はマルチエンジン程ではない。更にエンジン幅が非常にタイトなために、エンジンを低い位置に登載しパッケージとして低重心が実現出来る。そういうアプローチも可能な訳だ。

だから、縦置きVツイン、横置きVツインのどっちが優れる?という議論自体は成り立たない。どっちのアプローチが好きか?と言う事になる程度である。

理屈の上では上述のように言い分けられるけど、実際に乗ってどうか?というと、実はあまり良く判らないというのが本音だったりする。

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