専門分野
商売する上では、属する分野の知識の有無がとても大事。
企業において物作りを行う場合を例に取れば、物作りには様々な知識が要求されるが、その知識分野毎に専門家が知恵を集約するスタイルが正解。ただ、このように分野毎の専門家が集って分担して物作りを行うというのは大企業を除いて殆ど無いのが実態だ。
中堅企業以下では、そもそも物作りに必要な分野毎の専門家を集める事自体が難しく、伝統と言えば聞こえがよいけど、過去の実績の修正、スケールアップのみで生産活動を行っている場合が殆どだ。企業の属する業態毎に本来なら専門分野があって、そこで生業を行うには専門知識が必要だけど、それを備えたスタッフで業務を遂行するというのは殆ど無い。
日本製品が優れているという話を聞く事が多いけど、実際に優れていると言えるのは、スペシャリストによる分業が進んだ組織が生み出す製品に限られている。それ以外の製品では、製品自体の性能よりも、アフターケアとかコストの面で評価される事があっても、製品性能自体で見れば、結構、同じ様なトラブルを繰り返したりしているのが実態だ。
それ程に分野の専門性というのは重大で、作業に携わるモノは、それを理解したテリトリーを守るという心構えが大切だけど、分業化が進んでいない世界程、これが曖昧となっている。個人の行動なら、対象が個人の所有物への施工に限られるので自己責任という言葉で片付けられるが、個人業主が商売として行う行動を考えると、専門外の裏付けが取れない知識を押し付けたり、金を取るのは基本的に誤りと考える。特に、趣味が転じて職業となったような業種においては、商売を始める必要な専門分野、資格の範囲を超えた行為も少なくないのが実態である。
自身が行える範囲が何処までか?というのは、やはり専門性の有無がとても重要。この専門性というのが独学では身に付かないとは言わないが、少なくとも、独学にしろ何にしろ、少なくとも理解の手順を学んで身に付けていなければ、それ身に付けたと思いこんだ知識や学問には、大きな欠陥が潜んでいると考えるべき。
個人的には、独学で身に付けるというのであれば、最低限度、何か一つの専門性を理解の手順、論理の展開方法を身に付けている必要があるように考えている。
色んな場面で技術的な議論を交わす場面は少なくないし、誰もが携わる分野の全ての専門家で或る筈は無いが、大事なのは、物事を考える手順を身に付けているかどうかである。それ故に、人と議論して、一緒に仕事をするかどうか?等を考える時、その部分で判断するようにしている。
学校教育というのは、実は上手く出来ていて、成長の度合に従って、認知、理解、推論、実践という手順が実践できるような体系を保っている。これは、どんな科目、分野にも共通して見えるモノ。それ故に、そういうトレーニングをしてきたかどうか?というので、判断できたりするのである。持論としては、何か一つの専門性を身に付け、その分野で新しい価値観を創出できるようになれば、他の分野においても、そういう作業が出来るようになっていると考えている。
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