戦艦武蔵の最後
NHKのBSで戦艦武蔵が沈没した理由を検証していた。
これによると、機関部を守る装甲部は、魚雷等の攻撃ではダメージを受けない。そして、船首部が浸水しても沈没に至らない筈が、どうして沈んだか?
番組の解説では、頑丈な装甲部の鋼板を接続するリベット部が緩んで浸水したのが原因だったという。
しかし、このリベット部の浸水は、同型艦のヤマトが一発の魚雷でリベット部が緩んで問題が発覚していたのが判っていたそうだ。この問題提起は現場の軍人によって、上官、上層部に報告されていたそうだが、上官、上層部、組織の指揮系統は、それを無視して放置したという。そして、その弱点というか欠陥の放置は、現場の軍人の危惧として記録に残っていたという。
そして、武蔵は、その危惧が的中した形で沈没したということだ。
武蔵が当時の技術の粋を結集して製造されていたのは理解できるし、それに乗艦して使命を果たそうとした人の尊さは別として、この武蔵の最後は、組織の上層部の誤った判断によってもたらされたというのは、まるで、現代の日本製造業の構図そっくりな事に驚かされる。
技術を生み出す側、末端のスタッフというのは、各々の知識を結集してモノを生み出すが、それは必ずしも完璧なものとは限らない。それ故に、実際に携わる人間は、少しの欠点が見つかれば真摯な姿勢で対策していくのだが、組織を取りまとめる側、今の時代なら経営者、管理職というのは、そんな事よりも、不都合な真実を無視したり隠ぺいして、やりすごそうとする。
結果どうなるか?
武蔵が沈没したように、企業が信用を失ったり、存続できなくなったりする。昨今の企業の不祥事というのは、末端の実動部隊の失敗というよりも、組織を運営する経営者、管理職の隠蔽体質によるものである。
戦時下の日本と現代の日本を比べてみると、、、、組織の運営者、管理者、経営者の体質は本質的に変わっていないのである。
結局、日本って国は、モノづくり第一というよりも、儲け第一主義。利益のために、不都合な真実を無視する体質というのは、伝統的な体質なのかもしれない。
企業のポリシーというのは、顧客優先、技術第一主義を掲げながら、実際に組織内で声を聞けば、欠陥隠蔽、性能偽装だらけである。
なんだか、、、、笑ってしまった。
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