カワサキ空冷、終了
この度、エストレヤの生産終了に向けてファイナルエディションが発売されるという。
発端は、2017年9月以降に適用される継続生産車の排ガス規制に対応しないためだ。
因みに、カワサキではW800も同様に生産終了の見込みだ。
イメージとしては、エストレヤもW800も、印象的には90年代に多く登場した四輪のレトロ調パイクカーの二輪版という印象で、あまり好意的には見ていなかったのである。
90年代といえば、軽四、リッターカーにメッキグリル、メッキ装飾を施したナンチャッテクラッシックカーモドキが大量に現れており、偽物感がハンパ無かった時代で、二輪の世界においても懐メロデザインが大量に登場しはじめていた時代だ。
この時代の先鞭を付けたのは、個人的にはZ2モドキのゼファーだと思うけど、その傾向が極端に昔感を強調したのは1992年登場のエストレヤという印象である。
このエストレヤは、空冷2バルブSOHCということで、Z250FS以来の登場であり、個人的には、Z200/Z250FSのユーザーに媚びを売ったバージョンという認識しか無かったのである。ただ、Z250FSのボアは70mm、70.5mmの2種類、エストレヤでは68mmだからエンジンが全く共通という訳ではないけど、多くの部分が同じ構成である。
エストレヤ以降、レトロデザインが定着し登場したのは、W1モドキのW650で、1998年登場で、W650にしても、何故にデザインを昔の最新に似せるのか?が理解出来ず、エストレヤ同様に好意的には見る事が出来なかったものである。
そんな大昔の最新を、レプリカしたパイク的モデルという認識の二車だけど、2017年の今迄生産されてきた訳で、その歴史は25年、19年と本家のモデルの寿命を遙かに越える期間作られて歴史を重ねてきたのである。歴史の長さを見れば、製品としてはレプリカ元のモデルに較べてみても大成功だったのだろう。
因みに、水冷ではあるけど、昔の最新であるZ1000J/Z1000Rを模したZRXダエグも同様に生産終了となる。
この度生産終了となるのは、暗黒の二輪時代を象徴するモデルとも言える。遙か昔の二輪が華やかだった頃の成功したモデルのデザインを複製して登場してきたモデルであり、考えてみれば、時代のオリジナリティという面では非常に乏しいモデルでもある。
このようなモデルが一掃されて、新しい時代に、新しい時代の価値観で生まれたモデルが登場してくる訳だ。
最近の未来的なデザインは、今の時代ならではのデザイントレンドなのだろう。工業製品としては、やはり主流は、未だかつて無いモノ、新しいモノであって欲しいモノである。
懐古調昔レプリカというのは、主流ではなく傍流という風にしか見えない。傍流が幅を利かせすぎると、新しい時代の何かが生まれづらくなる。常に新しい何かが登場して、驚かせてくれる雰囲気こそが、マーケットの成長の鍵を握るはずである。
ただ、最近の傾向は、新しいトレンドに挑戦しつつも、何某か、レトロ風味を加えたモノを登場させるようなメーカーもあり、この辺が少し残念である。兎に角、挑戦的であって欲しいモノである。
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