全盛期の1/10?
ネットニュースで見て首を傾げるのが、ピーク時の1/10しかない二輪市場というニュース。
二輪といえば、原付、軽二輪、小型二輪であり、このままの括りだと確かにピーク時の1/10である。しかし、これはユーザーニーズのカテゴリーの分け方が時代遅れなだけでは無いだろうか?
軽二輪、小型二輪に限ってみれば、国内の保有台数は右肩上がりである。販売台数は、確かに減少傾向だけど、小型二輪はピーク時の30%減程度、軽二輪では60%減程度だけど、それはピークである1980年代のレプリカブーム時との比較で、1970年代と比較すれば、軽二輪、小型二輪とも倍増している状態。つまり、1980年代後半のレプリカブーム期を除けば、それほどニュースとなるような激減とはなっていない。
原付であればどうか?というと、1982年の大ブーム期に較べれば1/10以下となっているのは事実だけど、それには理由がある。1982年~1996年頃の原付届け台数の半減期というのは、主婦層の足に原付から軽四に移った時期であり、1996年から現在における1/4に激減したのは、ヤマハPASから始まった電動アシスト自転車の普及によるものである。つまり、原付バイクの担っていた役割が上流と下流に移行したのが理由と言える。
っていうか、電動アシスト自転車自体がバイクメーカーのヤマハ発祥の乗り物。この電動アシスト自転車っていうのは、果たして、自転車?っていうと、非常に微妙なところ。これ、電動原付に近い存在で、アシストというのは、自転車という定義に当て嵌めるためだろうけど、電池容量で航続距離を伸ばす一つのアイデアともいえる。
この電動アシスト自転車が自転車括りでなく、原付括りだったとすれば、表題のようなバイク業界の不景気記事にはならないような気もする。
ただ、現実的には、スクーターが電動アシストに市場を奪われ、バイクメーカーの原付出荷台数が激減している。これ問題で、二輪業界が、これを打破したいのであれば、原付カテゴリーで上流と下流に移行させない魅力を提案するのが大事かもしれない。
原付なら家庭のコンセントで充電可能な電動バイクに、簡易的な耐候性を持たせ、子供乗せが自転車と同等になるような働きかけを行うとか、そういうニーズに合わせた変革が叶えば、現状が打破出来るかも知れない。
手始めに、バイクメーカーが電動アシスト自転車に本格的に取り組んで、アシスト部分をフル電動にしたら、もしかしたら電動アシスト自転車以上に楽で手軽ということで、ヒットするかもしれない。
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