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2017年9月 8日 (金)

スカイアクティブXの試乗記から見えた真実は?

9/7の朝から、表題の記事が多数Webで公開されている。
まぁ、9/8発売のベストカーの予告にも試乗記掲載とあったので、試乗会自体は早い段階で計画されていたのだろう。

スカイアクティブのプロトタイプカーの試乗といえば、初のスカイアクティブコンセプトのプロトタイプ、継ぎ接ぎだらけのアテンザが2010年にドイツで公開された事を思い出すが、今回も次世代スカイアクティブをアクセラボディーのプロトタイプカーを使って同じくドイツで公開とのこと。

今回の目玉はSPCCI燃焼といわれるスカイアクティブXのエンジン搭載車の試乗ということ。公開されているのは、1997ccの直列四気筒エンジンでスペックは、

・圧縮比: 16.0:1
・排気量: 1997cc
・最大トルク: 230Nm(目標値)
・最大出力: 140kW/ 190PS(目標値)
・燃料: ガソリン95RON

だそうだ。現行のスカイアクティブGよりも高性能化されているように見えるが、今回試乗記で公開されている記事から気になるポイントをピックアップしてみる。

以前、自身のブログでも掲載したけど、このスカイアクティブXで気になるポイントは、『高応答エアー供給機』なるもので、見た目はベルト駆動の一軸式容積ポンプらしきものの存在。さらに、このユニットはエンジン下方に向けて大きな容積のタンクを有しているということ。
その際、スカイアクティブXのポイントは、超希薄なガスを燃焼させるには、ポイント的な高圧エアの供給が鍵と紹介されていたが、その燃焼リード用の高圧エア供給機がこれに該当するということなんだろう。というところまでは、これまでの記事でアップした通り。

で、今回の各社の試乗記でメカニズム的に明らかになった事は、

1.高応答エアー供給機はベルト駆動のルーツ式コンプレッサで、差程高圧仕様ではない。
2.低速時のパワーアシスト用電動機を用いたマイルドハイブリッド使用ということ。

この二点である。そして、試乗記の多くは概ね好意的な感想で、従来エンジンより高出力で、ガソリンエンジンらしい特性で、加速、巡航特性ともに良好で、同行した既存スカイアクティブGと対比しても燃費性能で13.5%~17.5%程燃費が向上しているという。

で、これらの意見からの率直な感想は、動力性能と燃費、それから搭載車の価格のバランスで、EV、HEV、ディーゼル車、ガソリン車に対して競争力を持つかどうか?という事の一点に尽きる。当初の予想は、もっとシンプルな構造でHCCI燃焼を部分的にでも実現しているのか?と想像していたけど、役割と機能が既存のS/Cとは違うといっても、物理的にはS/Cユニットを搭載しているのは事実であり、それは間違いなくコスト負担となっている。マイルドハイブリッドユニットの必要性は不明だけど、これを装備するのであれば、その分のコストも加算される訳だ。このコスト加算によって既存のガソリンエンジンに対して価格上乗せがどれ程になるか?そして、仮に超絶フィーリングを実現したとしても、それを考慮した上で経済性が確保出来ているのか?が結構ネックになってくるような、そんな気もする。
既存のガソリンエンジン車、HEV、ディーゼルエンジン車に対する性能と価格の面、所謂、コストパフォーマンスでユーザーが選択するか?というのが鍵になるだろう。

個人的には、既存スカイアクティブGに対する燃費の向上率が13.5~17.5%というのは、思った程でも無いかな?というのが率直な感想。
これなら、スカイアクティブDの方が魅力的か?とも思える。
2L級でパワーが190PS、トルクが230N・m、つまり約23kgf・mである。既存の2.2Lディーゼルのトルク42.7kgf・mには到底及ばない。
過給目的ではなくとも過給機を用いての仕様ということを考えれば、排気量、仕様的には、一寸前のロープレッシャーターボ的なモノなのか?という気がしないでもない。
更に言えば、比較的高圧縮比仕様の過給機モデル、所謂、後付けの低圧コンプレッサーのモデルと似たようなモノかもしれない。我が家のプロボックスS/Cは、1.5Lで低過給だけど、パワーで140PS、トルクで19kgf・mクラスであり、排気量比を考えるとフィール的には、こういうフィールかもしれない。

インプレの中には、大排気量的なフィールを全域で感じられると賞賛した記事もあったけど、インテークマニホールドの圧力を注意した運転をすれば、インマニの圧力が僅かでも+圧力を維持していれば、実効容積比以上の圧縮比が常に確保されており、基本的に結構トルクフルなのだ。自分はS/Cのセッティング、バイパスバルブの応答性を変えて、インマニの圧力制御設定を変えながらセッティングを行ってきた経験があるけど、インマニの圧力をスロットルオープン時に僅かに+に保つのが一番力強く感じ、今は、そういう仕様で乗っているけど、『高応答エア供給機』っていうのは、スロットルオープン時にインマニを僅かに+圧力に保つための存在のようにも見える。こういうデリケートな圧力の制御には応答性が必須であり、回転数辺りにたいして容積ポンプが必須なのである。これは圧力ポンプであるターボでは得られない特性。これこそがS/Cのメリットで、インテーク側はスロットルが開いた瞬間に+圧力を維持するには、S/Cが不可欠なのだ。こによって結果的に大排気量的なレスポンスを実現する事が可能だけど、実は、スカイアクティブXもS/Cを利用し、言葉が高応答エアー供給機ということで、もしかしたら、スロットルを開け始めた瞬間に+圧力を維持するための存在なのかもしれない。

だとすれば、、、、、これって、普通のポート噴射エンジンでも得られるフィールで、燃焼形態云々の効果とは限らない、、、、まぁ、優秀なエンジニアが集まって開発しているのだろうから、一寸心配。仮に、壮大な大回りをして出来たモノが、後付けの低圧過給仕様のS/Cモデルだとすれば、、、、まぁ、そんな事は無いとは思うけど、我が家のプロボックスはS/Cを搭載する事によって、NA時より燃費性能で15%強向上しており、前述の燃費向上率を見ると、案外、結果は普通?という危惧も少しあったりする。そんな事はないだろうけど、、、、、

個人的には、今回のスカイアクティブXというのは、先のブログで紹介したように超希薄な混合気をシンプルな方法で燃焼させるアイデアを期待していたのである。
そのブログで紹介したのは、1970年代に後処理無しで低燃費、低公害を実現したCVCCエンジンだけど、あれは、単体では燃焼不可能な希薄な混合気を、リッチサイドな少量な混合気を副室で燃焼させて、燃焼火炎を伝播させて希薄な混合気を燃焼するという仕組みだけど、そういうシステムを期待していたのである。
既存の直噴エンジンでノズル付近のピストンヘッドの窪みというのは、圧縮時においては一種の副室的な構造にも見えるけど、それを発展させたモノか?と期待していたので、そういう意味では少し残念な気もする。

因みに、我が家のS/Cプロボックスはエンジンの回転数がアイドリング領域でもアクセルオープンで強力なトルクをハイレスポンスで発揮する。ただ、絶対的な排気量不足で、登坂時において極低速域では、絶対的なトルクが不足しているのがネック。
S/C過給エンジンは、定回転から容積比率に従った過給で大きな排気量に相当するトルクを発生するけど、絶対的な低回転域では通常のNAエンジン同様にトルクは生まれない。
この問題を覆いかくすのが新しい技術に革新性を与える上では不可欠のように思う。

そう考えると、スカイアクティブXが発表記事では触れられていないけどマイルドハイブリッドエンジンというのは、極低回転域における絶対的に不足したトルク不足を覆いかくすために用いられている可能性が伺える。タイヤの最初の一転がり、これが加速度最大で、最もトルクが必要な瞬間で、その瞬間のためにマイルドハイブリッドシステムを標準的に採用しようとするものと理解するのが最も合理的だ。

まぁ、エンジンの理想系として考えると、エンジンの苦手が極低回転域をモーターアシストして、定回転以降では、エンジンの物理的な圧縮比以上の圧縮を確実に確保するためにインマニを+圧力に保つためのS/Cを搭載しているように見える。
トータルで過給するのでなく、インマニを+圧力に保つ程度の過給であれば、差程大きなコンプレッサーは不要であり、エンジンの外観図を見れば、正にそんな感じである。

まぁ、高応答エア供給機ということで、高圧縮エアで着火性を高めるという事なんで、単なるインマニ圧力制御だけではないだろう。エアの供給方法に工夫があって、局部的なエア供給を行って層状吸気状態を作りだして、そのタイミングで点火、燃料噴射を緻密に制御するといった事は為されているのだろうとは思うけど、其処までせずとも、先に紹介した単純な圧力管理だけど、エンジンパフォーマンスがどれだけ向上するのか?との比較も知りたいところ。

より詳細な情報は、これから少しずつ明らかになっていくだろう。それを静かに見守りたいところだ。

個人的には、スカイアクティブXも良いけど、縦置きエンジン、直六エンジンの動向、REを使ったレンジエクステンダーEVとか、主機としてのREの方に既に関心は移り気味。

今回の発表では、シャーシの類も次世代プロトタイプが用いられているようだけど、興味深いのは、リアサスがトーションビーム構造だということ。まぁ、マツダが選んで、このタイプの足周りが如何なる性能を発揮するように仕上がるか?は非常に興味深いもの。

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