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2017年11月 3日 (金)

ゼファー、ゼファーRS、Z900RS

ゼファーといえば初代400ccはレーサーレプリカブームを終息させたモデル。初代は1988年に登場したモデルだ。
エンジンはGPZ400F系がベースだけど、GPZで54PS迄高められていたユニットを46PS迄落として搭載されたのが特徴。この46PSというのは、コレ系のエンジンの初代Z400FXの43PSこそ上回るけど、二代目のZ400GPの48PSに届かないスペック。これをZ400FXどころか、以前のZ2系のデザインを復刻したようなデザインに包んで登場したモデルだ。当事の印象としては、Z400FX路線を踏襲した当時の現代版FXという印象。
750ccモデルは、エンジンベースはGPZ750Fだけど、このルーツはZ650にまで遡る事が出来る。出力もGPZで77PSに達していたけど、これを68PSに迄落としているけど、738ccとなった初代のZ750FXⅡの67PSの1PS増しというスペックだ。
1100ccモデルは、400/750ccモデルでの同系エンジンをベースにしたものとは異なり、水冷四気筒のボイジャーのエンジンを空冷化して生まれた新作エンジン。ただ、モデルのキャラクターとしては、400/750cc同様に高出力を狙ったモノとは異なる存在だ。

これらのゼファーシリーズは、デビュー当初は落ち着いたメタリックの単色塗装でベーシックスポーツという立ち位置だったけど、時代が進むにつれて、Zシリーズの原点であるZ1/Z2との類似性を強く打ち出した存在に変化していったように見える。デビュー当初は、敢えて繋がりを見せないような塗色だったけど、途中から象徴的な火の玉カラー等の強い類似性を感じさせるデザインに移行し、750/1100ccではスポークホイールを履かせたRSを登場させて、Z1/Z2を強く意識させるように変化していったのである。

本来、ゼファーというのは新しい価値観の提案という立ち位置だったけど、RSモデルの登場以降、新しい価値観ではなく、価値観を回帰させるヘリテイジ的なモデルに変化したのである。ただ、ゼファーの登場時の狙うパフォーマンスというのは、あくまでも心地よさという方向性であり、Z1/Z2の最強を狙う方向性とは異なるもの。そういう意味では、ヘリテイジなのは外観だけで、マインドとしては全く異なるモデルという印象である。

しかし、この度登場したZ900RSでは、RSの名の如く、初っ端からZ1/Z2を強く意識した存在かもしれない。デザインエッセンスは勿論だけど、メカニズムからパフォーマンスに到るまで、心地よさよりもパフォーマンス重視に軸足が移っているのは明かであり、ヘリテイジモデルとしてゼファーよりも一段と方向性が定まった存在のように見える。ただ、パフォーマンスを追求する姿勢ならベースのZ900と同じではなく、現行ZX-10Rのエンジンベースで作った方がインパクトが強かったかも知れない。

このZ900RSの売れ行き、立ち位置次第だけど、もしかしたらZ400RSのようなモデルが登場したりしたら、チョット面白いかもしれない。

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