慣性
ヒルクライムを行う時、シッティングでもダンシングでもだけど、大事なのは速度だ。
力を加えると加速度が発生する。加速度というのは、読んで字の如く、時間あたりの速度の変化率の事。
力を加えた時、加速度が大きくても速度が生まれない状況はどんな時か?を考えると、それは、ペダリングで踏んだ後のクランクが上死点、下死点位置における速度だ。この時に速度が死んでいれば、速度を伸せるために大きな加速度、大きな力が必要である。力を加えた割りに速度の絶対値が生まれないのである。
加えた力で有効に進むには、加速度を加えたら、加えたなりの速度の絶対値を生み出せるような状態を保つ事である。
それは、具体的には、力が抜けた段階において速度を出来るだけ高い状態で保つ事、これが大事である。登坂においては、抵抗によって速度が失われるが、その抵抗は重力である。この重力によって生まれる加速度によっても速度がゼロにならない、極力速度が保たれるように速度を維持する事が大事なのである。そういう心構えが必要なのである。
つかれて、踏んでいる時だけ前進し、踏んでいない時は停止に近い状態のような失速した登坂では、加える力の割りに速度が保てず前に進まないのである。
ペダリングにおいて車体をしっかり進め、車輪をしっかり回転させて、ペダルからの駆動力がゼロとなった瞬間においても、移動する慣性を極力残す事がヒルクライムのコツである。
平地において、速度が維持できるのは、抵抗に勝る慣性による速度維持が容易いからであり、登りにおいても速度を維持したいのであれば、重力抵抗による失速を考慮しても速度を保てる状態を維持するのが秘訣といえる。
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