重たいエンジン
一般的に車重は軽い方が良いとされている。同じパワースペックなら重量が軽い方が圧倒的に動力性能は優れる。
しかし、最近は、軽さよりも、重さを感じるモノの方が良いのでは?と考える事が多い。
我が家で軽さを目指した乗り物といえば、ガンマ、SVだ。一方で、その反対の重さを感じる乗り物といえばCX、BTだ。
この二系統、乗り較べると、、、、通常の動力性能では、ガンマ/SVがCX/BTを遙かに上回るのは確かだけど、日常使いで安心してアクセルを開けられて、実質的に同じスピードで走るときにリラックス感が得られるのはどっちか?といえば、個人的にはCX/BTである。
因みに、ガンマの乾燥重量は154kg程。カウルのファイバー化、外装のアルミ化、足周りの軽量化、チャンバー交換で、ノーマル比で15kg以上はウエイトダウンしている。乾燥重量では140kg以下だろう。装備重量でも160kgチョイだろう。SVは?といえば、初代の最軽量モデル。176kg程で、装備重量で193kg程度。これも軽い。一方で、CXは正確な重量は不明だけど上級クラスの重たいパーツに置換していることもあり230kg以上だろう。BTも250kgに迫る重量だ。実際、押し歩きするとCX/BTは確かに重量を感じるけど、実際に乗ると、それ程のネガは感じない。
CX/BTの重さの根源は基本はエンジンの腰下+ミッション、駆動系といった車体中央部下半分の重量が中心なのである。足周り、フレーム、腰上、外装の類は、一般的なモデルと似たような構成。ただ、同クラス他車に比較して重たいのは、基本はクランクケース、ミッション、シャフト駆動系というところ。つまり、重さが低いところの一箇所に集中しているのだ。重さの中心がステップの間に集中しているのが特徴。
重たいモノが低いところに一箇所に纏まっている。そして、ステップコントロールで向きを変えると、重たいモノの向きが代わって強いベクトルを持って進もうとする感覚である。この感覚は、腰上の重たい4気筒車では感じにくい感覚。SVのようにエンジンが前後に長く上にマウントしてあるVツインでも感じづらい。重たいクランクケースが低い位置にぶら下がっているモデル特有の感覚だ。
この感覚で、荒れた路面、ツイスティな路面でも向きを変えると、外乱に乱されず車体の進む力が生まれているような安心感を感じる事が出来る。
と言う訳で、変えた向きが乱されない安定感というのは、操作入力を一箇所に伝える事が出来る重たい腰下を持つモデル特有のモノかもしれない。腰下が重たいエンジン、、、、実は、結構魅力的。こんな記事、読んだ事も見た事もないけど、オーナーとしては同時に特性の違う車両を乗ると確実に感じるのである。
大事なのは重量ではなく、運動を支配する重りが如何に集中しているか?なのかもしれない。感覚的にはアンコの詰まった団子を転がしているような感じだ。
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