空気抵抗
自転車で走っていると、稀に後方にピタ付けされる事がある。
因みに、自転車での走行抵抗といえば、速度が上がると殆どが空気抵抗となるけど、この空気抵抗は、走行中の車両背後に付くと、大幅に軽減される。
ただ、興味深いのは、この空気抵抗は、シミュレーションの結果等を引用して、車列が出来た場合、先頭の人の抵抗も少し軽減されるという意見も少なくない。
ただ、この意見は、少し懐疑的。
まぁ、シミュレーションによるものでなく、自身の経験によるものだけど、その経験は、学生時代に大きな風防を付けたバイクで雨中を走行していた時の経験に起因している。
その経験は、風防で雨中を走行していると前面からの雨は防ぐ事が出来るけど、面白いのは、背後から前方に向けて雨粒が飛んでくるのだ。つまり、風防で押しのけられた空気が巻き込んで後方から前方に向けて吹き込む気流に乗って雨粒が進行方向逆向きに飛んでくるのである。つまり、前方で押しのけられた空気が巻き込んで背中を押していると言える状態なのである。
この体験が脳裏から離れない。
それ故に、自転車で高速走行中に背後に人が付けば、巻き込んで背中を押す風は背後の人に作用するのでは?という思いが拭いきれないのである。
複数の縦車列となれば、後方程空気抵抗が少なく最後尾が背後から押される風で最も楽に走れるのでは?という風に今も思っている。
因みに、空気抵抗を比較すると、先頭に対して、後方車両は50%減にもなるという。
空気抵抗が半減するという事は、その時点の出力は、まともな空気抵抗を受けていたとしたら、速度は2割強落ちの速度の時の出力ということになる。低い出力で大きな速度を得ている訳で、同じ距離を走っていたとすれば、所要時間もその分短くなる訳だ。
自転車運動を健康維持、体力維持の方法と考えると、このドラフティングによる抵抗軽減というのは、運動時間が短くなって、発生する出力も小さい状態で時間を過ごすということ。つまり、運動の効果の面から言えば、逆効果とも言える。
競技において先にゴールラインを通過するという目的では、このドラフティングというのは一つのスキルとして利用すべきモノかもしれないけど、負荷を掛けて鍛えるという意味では、これを利用するというのは、鍛えるための負荷と時間を失っていると言う事になる。
それ故に、自身は他人を利用したドラフティングっていうのは行わないけど、全くの面識が無い関係で、他人の背後に入ってドラフティングを利用する人が多いのは、チョット不思議な気がする。折角、時間を作って運動している筈なのに、何故に、運動の効果を減らす行為をするのだろうか?
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