タコメーターの解体OHの説明
CXのタコメーター、異音が発生し、途中からレスポンスが異様に悪くなる。回転上昇が遅くなり、回転落ちも遅くなる。音はヘルメット越しからも聞こえる状況。
一度はメーターの隙間からCRCを吹き込んで対処するも症状は再発。
その後、メーターが動かなくなる。
で、メーターケーブルを見ると切れている。
メーターケーブルを交換後は正常に戻っていたけど、半年後、同じくメーターの動きが悪くなって、メーターから異音が発生。
メーターユニットを交換したけど、動きの悪いメーターをチェックする。
メーター自体は、ワイヤードライブで駆動されるマグネットローターと、マグネットローターの回転速度と作動角度が比例して連動するメタルカップリングからなっている。メタルカップリングがマグネットローターと共回りしないのは、コイルスプリングで回転角度が制限されており、マグネットローターの引率力とメタルカップリングのバネ張力が釣り合った角度がメーター示度となっている。
構造的に考えると、メーターからの異音と、フリクションによるワイヤー破断の原因は、ローターマグネットの摺動フリクションが原因。メーター示度の追随性遅れはメタルカップリングの干渉が原因。ローターマグネットとメタルカップリングの固着の場合は、メーター示度が激しく動くだけ。追随が悪い場合はメタルカップリングとカップリングを固定するフレーム側との固着が原因。
なお、ローターマグネット、メタルカップリング等を完全に分解すると、メーターのフレームがプレス材のカシメ組み立て故に、分解後の組み立てで精度が得られないので、基本は洗浄剤で古いグリス、油の除去と必要最小限のグリス塗布で対応する方が良い。
今回はワイヤー破断を経験したので、ユニット下半分をアルコールに浸して脱脂した後に、低粘度グリースを注入し、ローターマグネット表面、メタルカップリング表面に付着した汚れを拭き取って最組み立て。
作動性のチェックは、逆転式で回転調整式ドリルに竹楊子を付けて、これでメーターユニットを駆動して作動性をチェック。
まぁ、このチェックだけではホントは治っているかどうかは不明。現在取り付けているメーターユニットが不調となれば、こちらのメーターを使う予定。
ネジで組み立てる事が可能な範囲は分解清掃が可能だけど、カシメ部分の解体は、精度部品の範囲では手を加えない方が良い。カバー類ならカシメを外すのは問題無い。
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