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2018年2月 1日 (木)

フレームの組み方

自転車のフレームでは材質の違いが乗り心地、剛性の違いに影響を及ぼすと言われているけど、その違いは構造的にどの部分からもたらされるか?と言えば、パイプワークのパイプ部分である。逆に、パイプの継ぎ目というのはパイプ同士を強固に繋ぐ箇所と言う事で、基本的には、頑丈に出来ていなければならない。
事実、成型性の自由度の高さから、アルミフレームではハイドロフォーミング製法で接合部は、接合距離を長くとった形状の異形パイプを接合させる手法だったり、カーボンフレームではモノコック形状の一体構造化させる手法が一般的となっている。
しかし、鋼管フレームの多くはパイプを接続して形成するためか、接続方法は昔から限られた方法に留まっている。
基本はロー付けと溶接の二種類。ロー付けの場合、ラグ組とラグレス組の二種類である。どの方法でも、他のフレームと較べると応力集中しやすい形状となっている。

この組み方の中でベストは何か?と言えば、応力集中しないモノが基本はベストということになる。そういう視点でみれば、ラグ組、ラグレス、溶接という順になるかと思う。ただ、ラグレスのロー付け、溶接でもガゼットを用いれば、その限りでは無いだろう。
また、ラグレスであってもロー材をしっかり盛る事で滑らかな接合部形状にする事で耐力を増す事も出来るだろう。手法の選択肢を考えれば、どれがベストか?とは言い切れないけど、個人的には、ラグ組が最も好みである。

ラグ組のメリットはラグとパイプの接合部の接触面積で接合強度が確保出来る。パイプやラグに対して低融点のロー材を用いるので構成材に与える熱的影響が抑える事が出来る。といったメリットがある。デメリットとしては、ラグを頑丈に作る程、重量的に不利となるという事だろう。また、ラグはパイプの組合せ角度に自由度を与えすぎると、差し込み部のクリアランスが不均一となったり広くなりすぎたりすると、ロー付けの接合品質が確保出来ない場合もある。理想は、ジオメトリー毎に角度の異なるラグが準備されていればベストだけど、そういう手間を掛けたラグは存在しないだろう。
ただ、現代ならば、ラグ素材を構成角度に応じた仕上げ加工することで、そのような欠点を解消出来るだろうけど、そこまでの工数を掛けたラグというのは、自身、見た事も聞いた事も無い。
それ故に、ラグ組の最大の欠点といえば、オーダーフレームでジオメトリーの自由度があるといっても、ラグの許容する接合角度の範囲でしか製作出来ないという制約があることかもしれない。
ラグレスロー付けとか、溶接組であれば、製作ジオメトリーの自由度には殆ど制約が発生しないと言える。

まぁ、フレームのジオメトリーに其処まで拘る必要があるか?といえば、現実的には、ステム長、サドルセットバック量で大抵は調整できるので、気にする必要もないかもしれないが、拘る人にとっては気になる点かもしれない。

自身は、細かい調整はパーツで賄う事として、次期フレームはラグ組で検討している。

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