MTとAT
どっちが優れるか?というと、これまではATの方が進化しており楽で優れると考えていたけど、どっちの走りが優れるか?というと、少なくともマニュアルモードが無ければMTの方がATより優れるのでは?というのが今の考え。
ただ、マニュアルモード付きATならMTよりも優れるように思う。
理由は、完全自動のATの変速タイミングとMTの変速タイミングは基本的に大きく違うからだ。
マニュアルモード付きATやMTのシフトポジションは、ドライバーが視覚等の外界の情報を先読みしてシフトポジションを決するのに対して、自動ATというのは、車両が操作されるアクセル開度と路面負荷のバランスから負荷比を感知した上でギアポジションを決するという根本的な違いによるものだと考えている。
先読みで、適切なギアポジションを決し、その瞬間に適切な状況を作り出すものと、負荷に応じてギア比を配分するものでは、瞬間において必要な状況を作り出すタイミングに明確な差が生まれると言って良い。但し、視覚等の情報から先読みが不正確ならば、このメリットは生まれないので、意図的なシフトポジションの選択にミスが無いというのが大前提である。
そして、シフトポジションを意図して選択するMT車では、スムーズな走行に必要なのは、車両が直後に遭遇する状況を先読みするのが必須であり、スムーズな運転が実現している限りにおいては、自動ブレーキのようなデバイスに依存する割合も大幅に少ないと考える事が出来る。
自動ブレーキ等の仕組みは、前を良く見ないでも進む事が出来るATの普及によって注意力散漫でも運転が出来る現状において不可欠な技術かもしれない。
前方の状況等を把握して先読み出来る運転能力が無ければ、本来は車の運転はすべきでないのだが、最近は、そのような能力が無くても、法的に運転が許されている。本来なら運転資格を剥奪すべきだが、それが難しい現状では、自動ブレーキ、踏み間違い防止の仕組みといった技術に頼るしか無いのだろう。
昨今の自動ブレーキ等の安全デバイスの普及というのは、車の運転の自動化によるドライバーの注意力欠如対策に必須だけど、それと同じくらいに、先が読めない運転しか出来ない人による事故防止にも不可欠となっているようだ。
しかし、本来なら先読み運転が出来なければ運転させないというのが一番のような気がする。ATは無しで、オールMTなら、自動ブレーキ等も実は必要無いのかも知れない。
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