« リザーブポジション | トップページ | ブレーキシュー »

2018年2月10日 (土)

火の玉の呪縛

新しいZ900RS、Z2のイメージを強く引き継いでいる。ティアドロップタンク、テールカウルの造型と塗色、ブラックエンジン+フィンエッジの磨きだし、、、排気量が900cc故にZ1のイメージが強いけど、デザインと色はZ2である。
このZ900RS(ZR900C)は、Z900(ZR900B)の外装チェンジ版とも言える存在だが、Z900というのは昨今のストリートファイターデザインのZ1000を起点としたデザインの延長に存在するけど、一気に初代Z1/Z2をイメージさせる装いに一新されている。
何故か?というと、やはり売れる見込みがあるから。
ただ、個人的には少し残念である。新世代ネイキッドスタイルで登場したZ1000/Z750/Z800/Z900と新しい形を模索していた取り組みがリセットされて振り出しに戻っている印象が強い。

カワサキの製品というのは時代と共に進化してきた印象があるけど、今回のZ900RSでは懐古主義に回帰している印象である。

歴史を振り返るとW1系のデザインからZ1/Z2にデザインを一気に進め、キャストホイール解禁となるとMk.2/FXという丸から角にデザインを進め、カウル解禁となってからはGPZ/ニンジャと進めてきている。こうやって作り上げたデザインは、その時代のトレンドを作り出してきており、常に模索して新しい形を生みだしてきたような印象が強い。

そういう意味では、ストリートファイター系デザインで模索し、そのデザイントレンドの先駆者とも言えた新世代Z1000系である。今では、このストリートファイター系のデザインがネイキッドバイクのスタンダードとして定着している。Z1000系迄は、トレンドリーダーとしての存在という印象があるけど、Z900RSは少し違う存在のようだ。

1989年以降、カワサキ車には開拓者としてのモデル以外の系譜として、四輪のBe-1のようなパイクカーのような流れがある。初代ゼファー、エストレヤ、ZRX、W650という流れだけど、Z900RSというのは、そういうモデルの系譜に存在しているのだろう。
ただ、ビックリしたのは、ゼファーではデザインエッセンスはZ1/Z2を引き継いでいるけど、モデルの印象を決めるカラーリングで火の玉を採用したのはモデルライフ後期の事。ZRXもローソンカラーを採用したのは登場から数年後の話である。
これに対して、Z900RSは初っ端から火の玉カラーで登場させているけど、ゼファーの火の玉、ZRXのローソンカラーというのが、相当に好評だったんだろうと推測出来る。

カワサキにとって、Z1/Z2というモデルの存在が如何に大きいか?というのがよく判るような気がするけど、Z1/Z2を完全に過去のモノとするような全く新しいトレンドが見えてこないというのは、少し残念な気もする。Mk.2、FX、GPZ、ニンジャが登場した時のインパクトを越えるデザインっていうのは、長らく登場していない。

|

« リザーブポジション | トップページ | ブレーキシュー »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 火の玉の呪縛:

« リザーブポジション | トップページ | ブレーキシュー »