« ジオメトリー調整 | トップページ | 前乗り »

2018年3月 1日 (木)

進化したのは?

今時の二輪車、パフォーマンススペックを見ると一昔前のレーサークラスそのものと言える。これは、動力性能を扱うための装備品が充実してきたからに他ならない。
過去を遡れば、1960年代末期に素人が乗るには危険と言われたモデルとして、カワサキ500SS・マッハⅢというモデルがある。2ストローク空冷3気筒、乾燥重量174kg、最大出力60PSである。今時の装備重量に直したとして+15~20kgくらいだろう。重量として190kgクラスの車両だ。
このモデルをして、扱いにくい、乗りにくいと評されている。
ただ、スペックだけを見ると、今の感覚からすれば、400ccクラスと大差ないように見える。勿論、乗り手が50年を経て超絶進化した訳ではない。殆ど変わらないか、寧ろ、50年前のライダーの方がスキルは上だろう。
その後のハードの進化を見ると、時代毎にスペックは著しく向上してきている。
1980年代となると乾燥重量143kg、装備重量162kg、出力45PSのRZ350というのが扱いにくい、乗りにくいと言われたモデルとして記憶に残る。
現代に至っては、出力200PSは当たり前。超高回転型多気筒エンジン、大排気量、過給機付き、、、、様々な選択肢で昔では考えられなかったようなパフォーマンススペックを誇るモデルが大量にリリースされているけど、これらが乗りづらいとか、乗り手を選ぶとか、そのような表現で畏怖の念を抱かせるようなモデルは、殆ど皆無と言って良い。
ハードウェアのパフォーマンスは間違いなく向上し、昔と今を較べれば圧倒的な差があるのは確かである。ただ、マシンパフォーマンスが圧倒的に向上しているのは確かだけど、扱う人間の技量が圧倒的に向上したか?といえば、そんな事は無く、恐らくは、技量レベルは圧倒的に低下しているのでは?と考える方が自然だ。

1980年代後半以降、モデルのパフォーマンスは飛躍的に向上してきたけど、それはパフォーマンスを扱う上でのツールが整ってきたからに過ぎない。1980年代後半から2000年代に掛けてはハードウェアの進化によって、パフォーマンスを支配するためのハードルが格段に下がったに過ぎない。結局は車体と路面の接点が重要で、提供されるパフォーマンスの上限は、その接点部の進化、制御次第と言える。つまり、タイヤの進化、グリップ制御技術の進化が、パフォーマンスの向上をもたらしているに過ぎないのである。路面に伝える事の出来る上限に合わせて各部のハードウェアの仕様が決まっていただけといえる。
最も初期の世代は、インチ表示のバイアスタイヤ世代。この時代のタイヤと、それを支える技術の上限が、この時代の過激なパフォーマンスと言われていたのに過ぎない。
この次の世代が、タイヤプロフィールの自由度が増したメトリック表示のハイグリップバイアスタイヤ世代で、次いで、コンパウンド選択の自由度が飛躍的に高まったハイグリップラジアルタイヤ世代、そして今が、ハイグリップラジアルタイヤの持つ上限状態を検知する事を可能とする電子制御世代といえる。
このような路面との接点における進化が、車両のパフォーマンス向上に寄与しているだけといえる。

乏しいメカニカルグリップを最大限発揮させるような操作技術が必須だった時代から、そのような操作無しでグリップを生む事が出来るように進化し、雑な操作でも限界を超えないように制御される時代になったということである。扱う側、ライダーの介在度の影響度が高いのが昔、今は、ライダーの介在度が低い時代、、、そんな感じである。

|

« ジオメトリー調整 | トップページ | 前乗り »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 進化したのは?:

« ジオメトリー調整 | トップページ | 前乗り »