二輪車のカテゴリー見直し
現行の二輪車の分類は、自転車、電動アシスト自転車、第一種原付自転車、第二種原付自転車、軽二輪、小型二輪のように細分できるけど、道路通行上の分類で纏めると、自転車、原付、自動二輪の三つに分けられる。
最近は自転車の対歩行者事故、対四輪自動車事故が多く問題となっているけど、1980年代に遡ると、原付の対四輪車事故が大きな問題となっていた。その際の事故撲滅の取り組みの一貫として、原付の二段階右折、或いは、二輪車専用停止線といった新しい規則が生まれてきた。
自転車事故が増えたからといって、自転車の運用の原則として、自転車は車両で車道通行が原則となると、車道には、低速走行が事故原因として問題となっていた原付に加え、更に低速走行、更には交通法規への遵守度合の低い自転車が入ることになる。
仮に、自転車の車道通行が一般的となれば、80年代の原付対四輪事故が多発した時以上に、事故が多発するのは晃かといえる。
現状のような、御都合主義で行き当たりばったりの法規運用を進めていけば、収拾のつかない混乱を引き起こす可能性が高いのでは無いだろうか?
法規を適切に運用することによって事故を起こさせないためには、法規を適応するカテゴリーを明確化する必要がある。
現行法では、自転車扱いとなっているのは、普通の自転車に加え、電動アシスト自転車も含まれている。この自転車は、原則車道走行だけど、やむを得ない場合は歩道通行を認めている。解釈の取り方によって例外に該当する状況が常に変わるような例外条件というのは、規則を無規則化するだけであり、実は適当ではない。
自転車、電動アシスト自転車に何処を走らせるか?という部分を明確に区分けする必要があるように思う。そして、車道に自転車を走行させるのであれば、車道走行に適った自転車を定義した上で、その自転車が走るべき環境を整備するのが非常に重要となってくる。
現状、自転車の問題といえば、車道の中では他の車両から見れば遅い存在。歩道の中では歩行者から見れば、高速で暴走する危ない存在である。
このような問題を解決するには、歩道を走れる自転車要件を明確化させる必要があるように思う。
自転車の現状における最大の問題点は、歩道内での歩行者との事故である。事故が重傷化する原因は、自転車が歩道内でスピードが出過ぎる事が最大の原因。つまり、スピードの出る自転車を歩道内から排除するのが有効なのである。
スピードの出る自転車といえば、筆頭は電動アシスト自転車だろう。電動アシスト自転車はモーターによるアシストで加速力は強力。重たい車体が一気に速度を増すので、こんなモノが歩道を走るのは危険極まりない。他には、視線が落ちて回転体が露出したスポーツサイクルも危険な存在。ロードバイク、マウンテンバイク等のスポーツサイクルは車体形状的にも露出したタイヤだけでなく、ハンドル、レバーが突起物のように配置されており歩道走行には適しているとは言えない。
少なくとも、電動アシスト自転車と、泥よけを装備しない自転車は、歩行者保護の観点から見れば歩道走行を認めない方が良いと言える。
車輪サイズによる区分も可能だが、厳格な取り締まり運用の中で、判断基準が煩雑になると実効的な運用が難しいと考えられるので、視覚的に一発で判断出来る方が良好だ。
そう言う意味では、電動アシスト自転車と泥よけの無い自転車は車道通行オンリーという決まりが良いと言える。
逆に、歩道走行が容認される自転車は、泥よけが装備された自転車のみという事にすれば、既存の子供車、幼児車、高齢者の乗る普通自転車の殆どが歩道走行容認となり不具合は発生しないだろう。
ただ、自転車としては速い電動アシスト自転車、スポーツサイクルだけど、車道走行する車両の中では原付よりも遅い存在。そんな二輪車を車道走行させるのであれば、少なくとも速度差の大きな四輪車、自動二輪車との走行エリアの共有は危険極まりない。
そんな車道で事故を抑制させるには、低速二輪車専用の走行レーンを設ける以外に方法は無いだろう。自転車専用という訳にはいかないだろうが、原付+自転車限定の走行レーンを設け、交差点においては二段階右折を徹底させるというのが、最も有効ではないだろうか?
現状の、車道でも歩道でも走れる自転車という存在は、交差点、信号、停止線の手前で自由自在に車道と歩道を往来して都合の良いエリアを走行する自転車も少なく無いけど、少なくとも、走行速度の速い電動アシスト自転車、スポーツサイクルを車道以外での走行を不可とすれば、そのような御都合運転も大きく限られてくるものである。
二輪車事故、特に自転車が関係する事故を減少させるには、自転車の区分を見直し、区分毎に適応させるルールを明確化する事が最も効果的ではないだろうか?
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コメント
こんにちは!
貴重なコメント有り難うございます。
確かに、法規を正確に守らせる事が一番大事なのですが、例えば、『徐行』の定義を人が完全に理解しているか?といえば、実はかなり怪しいと思います。免許不要の乗り物の場合、幼児から高齢者迄多用であり、定義を完全に当て嵌めさせる事自体が無茶なような気もします。
特に電動アシスト自転車の場合は、正確に『徐行』に該当する速度域を一気に通過するような仕様であり、逆に法規を歩道内で遵守させるのも難しいような気もします。
また、スポーツサイクル等の車輪が露出した乗り物が混雑した中を走行する時に思ったのは、例えば車の場合、フェンダーが外れた車両を運転するのは巻き込みリスクが多いのでアウトですが、大径車輪で露出したタイヤの自転車の場合、歩道では身長が1mに満たない幼児と混同するのは、幼児のふらつきでもリスクが生まれるのではないか?と危惧したりする訳です。
という訳で、自転車側に非が無くとも、色んな歩行者が存在する歩道では、自転車の形態で歩道を走れる条件を決める方が周知徹底しやすいのでは?と思った次第です。
ホントは、利用者がルール遵守を徹底すべきというのは理解できますが、利用者が多用すぎて、難しいかな?というのが、私の考えの起点にあったりします。
投稿: 壱源 | 2018年4月16日 (月) 08時19分
自転車の歩道上走行については、法律上「徐行」が義務付けられており、これを守れば、たとえフェンダー無し自転車でも安全性に問題はないと思われます。
特に、電動アシスト自転車については、最もふらつきやすい徐行走行時に、必要な時に大きな加速力を与えることができるという点で、「徐行」して走行するのに最も適した自転車ということが言えます。
ちなみに、「徐行」とは”直ちに止まれる速度”であり、JIS規格では、時速10km走行時に3m以内で止まれればよい自転車においては、時速3~5km程度、すなわち、ゆっくり歩行するのと同じか遅い速度となります。
現時点での問題点は、「徐行」が守られていないことであって、なぜ警察がこれを守らせないのかが一番の問題です。
しかしながら、時速3~5km程度で、歩道の車道寄りをふらつかずに走るのは、至難の業であり、現在の法律は、事実上、自転車への歩道上での乗車を禁止しているのとほぼ同等と考えることもできます。
次に、車道上での車との共存ですが、法律上、片側1車線(以下)の場合は、安全な距離と方法で、片側2車線以上の場合は、1つ右の車線から、追い抜く必要があります。現状の問題は、車側がこれを守らない、または知らない(特に複数車線の場合)ことが問題です。
ちなみに、私は、過去2回、車に接触されそうになったことがありますが、いずれも歩道上でした(歩道を横切ろうとした車が、歩道手前で一時停止&確認を怠ったため、側面から突っ込まれた)。
私は、以上を含め、できるだけ交通法規を守って自転車・自動車を運転していますが、自転車での同行者、車での同乗者は、5分もすると怒り出します。すなわち、自転車の場合、歩道上では遅すぎる・ふらふらして走れない(私は時速2kmくらいまでなら大丈夫)、車道上では怖い・手信号を出せない・車間距離をとれない(千切れるのが怖い)・併進して話をしながら走ることができない・二段階右折が面倒・一時停止すると疲れるなどといわれます。車であると、制限速度では遅すぎる、安全に追い越せる幅のない道で自転車に追従して走るとイライラする、一時停止は無駄、などといわれます。
現状の問題は、これらを守らなくても警察が何も言わないこと、特に自転車については、警官ですらこれらを守らないこと(白チャリで歩道を時速10km以上で併進する警官は珍しくありません)ではないでしょうか。
電動アシスト自転車は、「歩道を徐行して走行するときにふらつかないようにする」ことを目的として開発された自転車です。悪いのは、自転車ではなく、運転者であると思いますが。
投稿: ひでさん | 2018年4月16日 (月) 00時27分