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2018年5月22日 (火)

フレームレイアウト

最近は昔ながらのクレードルフレームというのが少なくなってきた。
1980年代以前のフレームというと、クレードルフレームというのが基本的。小排気量がシングルクレードルフレーム、中排気量がセミダブルクレードルフレーム、大排気量がダブルクレードルフレームというのがスタンダード。
クレードルフレームの基本は、アッパーループとアンダーループから形成されたクレードル部分と、ヘッドパイプを支える背骨的なメインパイプ部分からなっている。クレードル部分の主な役割は、クレードル内でエンジンを抱きかかえる事。フレームクレードルにエンジンが搭載されているという構造上、車体に搭載されたままの整備性、エンジンを脱着しても車体が保たれるといったメリットがあるが、フレームに求められる車体剛性の部分では、ヘッドパイプやピポットといった応力を受ける箇所が、細く曲がりくねったパイプで支えられている構造による制限を受けている。

エンジン性能の向上、車体のコンパクト化、高剛性化が進むに連れて、フレームの構成、構造、材質が大きく進化していくこととなる。

フレームの構成面からは、一本のメインパイプとクレードルパイプのアッパーループ部分が統合されたサイドループタイプのクレードルフレームを経て、ツインスパーデザインのフレームに進化していく。フレーム部材の高剛性化の面では、スチールパイプが角断面のアルミパイプやプレス成形品を利用したヘッドパイプとピポットの直線的な接続に向かうに連れて、ダウンチューブを廃したダイヤモンドタイプのフレームが主流となっている。
最近では、カウルレスのネイキッドバイクの復権により、カウル付きのバイクで主流となったサイドループタイプのツインスパーデザインのフレームとは別に、従来のスチールパイプ式のダイヤモンドフレームが多く登場している。ただ、昔の一本の背骨に相当するバックボーンタイプのフレームから、構造的に高剛性を確保できるケージデザインのバックボーンタイプのフレームに進化しているようである。呼び名は様々だが、ヘッドパイプを支えるフレームパイプをブリッジ状に補強したような形や、パイプで格子を作り、その格子を接続した形があり、トレリスフレームとかトラスフレームとか、いろんな呼び方があるようである。

格子形状のトレリスフレームというのは、パッと見には、構造解析で用いるメッシュパターンにも似ているが、格子の大きさとパイプの太さの決定には、解析技術の進歩と連動して進化している事が判る。
一見、プレス成形材を用いたツインチューブフレームに似ているが、格子状のフレームの場合、内部へのアクセス性に優れ整備性の面でも優れるし、内に抱えるエンジンの発生する熱を排出するという面で優れており、今後の主流として進化していくのではないだろうか。

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