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2018年7月11日 (水)

土砂災害を受けた団地と造成された山の共通した特徴

広島市北部豪雨では安佐南区八木地区、西日本豪雨では安佐北区口田南地区、安芸区畑賀地区、矢野地区、熊野地区、瀬野地区、安芸郡府中町、坂町、呉市の天応地区等々の土砂災害が甚大な被害を及ぼしている。

これらの造成地の状況は?というと、これまでの感想では、海側に面した斜面という感想を記事にしていたけど、これらの造成団地の形成された山の大きさに着目してみた。
各地区に団地造成された山の標高をピックアップしてみると、
・安佐南区八木地区・・・・阿武山:586m、権現山:397m
・安佐北区口田南地区・・・二ヶ城山:483m
・安芸郡畑賀地区・・・・・呉娑々宇山:682m
・東区馬木地区・・・・・・呉娑々宇山:682m
・安芸郡府中町・・・・・・高尾山:395m
・安芸区矢野地区・・・・・金ヶ燈篭山:532m
・安芸区熊野地区・・・・・三石山:449m
・安芸区瀬野地区・・・・・高城山:496m

こんな感じ。斜度が急で尚かつ、海抜高度が400mレベルの山の麓に造成されている事が判る。団地自体は、それぞれの山の麓で標高100mレベル迄だけど、その背後に大きな山が控えているのが共通した特徴である。

過去の土砂災害の特徴を見ると、海抜高度で200mを超える山が背後にあるか否かが分かれ目のようである。山が削れて濁流が川に流れ込んでいるか否かというのは、標高で言えば150~200mレベルの山の斜面のようだ。今回、身近な地域では、女学院大学内の斜面が一部崩れて二又川沿いの道路に泥が溢れていたけど、そこの緑地標高が最高点で176mである。

元々、小さな三角州+干拓地で出来た広島市、住宅地造成で最初は標高の小さな山に団地が造成されたけど、昭和の後半以降は、標高で150mを超える山の麓に団地が拡がるようになり、平成以降は標高で400mを超える山の麓にも多くの団地が造成されてきた。

最近の大規模造成では、大きな谷を大きな山を削って出た土で埋めた大規模団地が多い。そんな大規模団地は標高で200m近辺に拡がり、背後は400~500m級の山が拡がるような地域が多い。特に、広島市西部の山の中腹には大規模団地が数多く存在している。

因みに、広島の山というのは地図から見ると水平距離400mで垂直距離100mということで25%勾配級の斜面であり、斜度が急なのが特徴である。

広島の場合、標高が150m以下の山の場合、単純な円錐形状の単独の山が多いけど、標高で150m以上の山は、複数の山が連続して繋がっている山脈形状となっている。それ故に、団地の拡がる谷筋には、背後から大量の雨水が集まる構造となっている。標高の高い山が連なった山脈というか山地の谷筋に拡がる山というのは、全て危険かもしれない。

今回の土砂崩れによって緑の木々が失われて茶色の土が露出している上空からの撮影映像があるけど、殆ど全てが連なった山地の谷筋に認められるのが特徴である。

雨水が山肌を削り取るかどうか?というのは流れる水量次第である。水量といえば、谷筋に流れる水が、どのエリアに振った雨水が集中するか?ということ。そう考えると、高い山程、降水面積が広い。山が高い程、大量の水が勢いを付けて流れてくる。考えてみれば、極当然の話である。山沿いの団地に住まいを構えるなら、背後からやってくる水分量を考えるのも一つの考え方かもしれない。今回の土砂崩れを見ると、山頂近辺は、どこも崩れていないのである。高い山地の団地を買うなら、山頂付近が安全という判断になるかもしれない。宅地の背後に高い山が見えるかどうか?これが判断基準。高度の高い団地でも、自分の住まいの後ろに高い山が無ければ、仮に崩れても、自分の住まいより低い所からということになるだろう。

買うなら、、、、標高100m程度の山の団地で、標高で70m地点とか、そういうのが良いかも知れない。広島なら比治山、江波山、皿山辺りに団地があれば、その団地の一番上なんかが安全そうだ。山も崩れそうにないし、津波、氾濫水の影響も受けそうにない。

因みに、今回、市内に点在する標高150m以下の小さな山の宅地、団地では、住宅を押しつぶすような土砂崩れは発生していない。

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