« STAP細胞 | トップページ | 脹ら脛 »

2018年10月27日 (土)

インジェクション

この言葉を最初に聞いたのは、1970年代半ば、BMWの2002tiiというモデル。tiiはツーリング・インターナショナル・インジェクションということで、機械式インジェクションを装備したモデルという事で記憶していたのを覚えている。
国産車では機械式インジェクションというのは、一寸思い浮かばないというか、知らない。国産車でインジェクションというのはEFIとかEGIといったもので排ガス対策以降で生まれてきたように思う。
ただ、そんなインジェクションの普及も基本は四輪の話で、二輪では縁遠い印象が強かった。

インジェクションかキャブか?の議論は、インジェクションの出始めでは良く聞く話だったけど、二輪の世界での印象は、インジェクションの出始めの頃はキャブの方が素直で扱いやすくパワフルという印象が強かった。実際に同じエンジンでキャブとインジェクションを比較した訳ではないので、あくまでも先入観、印象によるものだが、噴霧される液滴径を比較すると、キャブの方が微細だインジェクションでは噴圧の問題等で液滴径で10倍以上の差があった筈であり、そういう伝聞からもキャブの方が良いという印象が強かった。

ただ、現代はインジェクションが登場して十年以上が経過している。そうなってくると、そういう問題も解決済み。そうなると、全域、全条件で理想的な噴射が行えるインジェクションは無駄なく理想に近い燃料供給が可能であり、恐らく、現在の比較を行えば圧倒的にインジェクションの方が無駄なく効率的なんだろうと思う。
ただ、時代の要求から無駄を限りなく減らし、燃料を限りなく薄くするという方向で調律されているのは間違いないことであり、最新のインジェクションモデルと末期のキャブモデルを比較したらどうか?というと、個人的には末期のキャブモデルの方が好みだったりする。キャブというのは基本的にエンジンが欲する分が吸い出される構造で、インジェクションはエンジンが欲するであろう分を押し出す構造。過剰分が生じるのがキャブ、必要最小限で制御するのがインジェクション。全域が計算通りならインジェクションだろうけど、使用域全域を上手く追い切れるか?といえば、それも違う。

自分のSV650Sと試乗車のSV650ABSを乗り較べて一番の違いは、微妙かつ細かいアクセルワークに素直にパワーを調節出来るのがSV650Sという印象。定常走行では判らないけど、開度変化が大きな使い方では、キャブ車の方が未だに思い通りに扱える印象である。今回、SV650SをSV650Xに買い換えようか?と思い、細かいところをじっくり較べて乗ってみた印象では、キャブ車の方が扱いやすい印象である。
パワーの出方もスペックはキャブ車の方が低いけど、レスポンスは上回る気がする。

まぁ、今の技術で低排ガス化で薄くするという方向性以外で作ることが出来れば印象は随分変わるのだろうけど、少なくとも出荷状態では、現行インジェクションモデルは少し大人しい印象が強い。

この印象は、大昔に37トレノと47トレノを乗り較べた時の印象に近い。37トレノはキャブ、47トレノはEFIだったけど、当時の四輪でもキャブの方が面白かったのを思い出す。

|

« STAP細胞 | トップページ | 脹ら脛 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: インジェクション:

« STAP細胞 | トップページ | 脹ら脛 »