不正発覚、本当の理由
カヤバの免震ダンパーの性能検査記録改竄、スバル、日産、スズキの検査データ改竄、神戸製鋼所のアルミ・銅・鉄鋼品検査データ改竄、タカタの欠陥エアバッグ、、、、これに対して、あたかも特定の企業が、最近行って、、、という論調のニュース解説が多いようだけど、現実は、殆ど全ての企業が行っているのは間違いない。
検査記録の改竄ばかりが行われているけど、製造業で改竄できる部分といえば、検査、品質管理部門で行う以外は有り得ない。
改竄というのは、品質偽装、性能改竄の二種類。材質の品質を落としてコストを落としたりするのは日常茶飯事。性能改竄も公称仕様が高すぎて実現出来ないままにモノが出来たとしても出荷しないと納期に間に合わないとかになると、実際の性能が低くても、あたかも公称性能を満足したとして出荷する、、、、当たり前である。
そして、こういう改竄は、企業の言い訳を聞くと、特定の部門の特定の複数人が行ってきたという話だけど、こんな大それた作業を雇われ従業員、部門が行う筈が無い。当然、企業トップの判断である。ばれた時の会見は、トカゲの尻尾切りである。
昨日、報道ステーションで解説委員が、不祥事が近年の厳しい競争によって出てきた的な解説をしていたけど、そんな筈は無い。昔から、みんながずっとやってきたのである。
ただ、検査部門の数値修正なんて、内部告発でもしなければ絶対にばれない。組織ぐるみでやればばれるはずが無いのだ。
年功序列、終身雇用の元では、退職した従業員も年金支給等を考えれば企業は存続しているのが必須。つまり、終身雇用の元では、内部告発は有り得ないのである。
内部告発というのは、企業と喧嘩別れして辞める人からの声と考えるべき。或いは、企業のやり方に迎合出来ない正義感の強い人の可能性もあるけど、殆どが、企業に敵意、嫌気を持っている人からの声。派遣労働、中途退社、、、、若い人の流動化が進むと、企業から退出する人からすれば、企業なんてどうなっても良いと思う人が居るのが普通だろう。
それが、不正の発覚、不祥事の発覚というニュースに繋がっていると言って良い。
性能や品質の改竄というのは、殆どが組織ぐるみ、システマチックに行われている。そういうモノである。検査自体を社内で行う場合、計測器に小細工して、検査成績表作表段階で都合の良い数値に置き換えるなんて朝飯前である。機械性能でもそうだし、材質の成分偽装も簡単である。
検査機器の自動化が進むというのは、数値を好き勝手に変える事が可能と言う事である。
傍目にクリーンな企業と見せるには、昔ながらの年功序列、終身雇用を守り、従業員に対して、退職後も企業が健全に残っている事が大事と思わせる昔の体制を守る事が一番大事かもしれない。
能力主義、新人事制度による厳格な査定、、、、これを行いすぎると、人材の流動化が進む。流動化する人材の多くは、組織に対して反面的な意識を持つ場合が多い。それが、不正の発覚等に繋がる内部告発となる場合も否定出来ないのである。
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