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2018年11月 3日 (土)

次期アクセラは成功するか?

いよいよ新型アクセラが公開される。生産自体は9月から防府工場でスタートしている。
そのコンセプトモデルは、既に発表されているもの。デザインはプレスラインやエッジに頼らない面構成の塊感ある魁コンセプトと言われるデザインで量産車っぽくないもの。

そのデザインの中身は、新しいシャーシ、新しいエンジンからなっている次世代のスカイアクティブ車両第一弾だ。
ところが、これが世に受け入れられるか?或いは、コンセプト通りに仕上がっているかが、この次期アクセラの正否を分けるのは間違いない。
まぁ、これまでのキャリーオーバー的に行けば大きな飛躍が望めない。そう言う意味では、転けるかも知れないけど、飛躍するかも知れない。

で、全くの新設計である。
先ずは、シャーシだけど、最近は多くのFF車がトーションビームからマルチリンク等に移行する中で、その逆を行くマルチリンクからトーションビームへの構造変更である。
こっちを選ぶ理由があるのだろうけど、その理由が市場に受け入れられるか?が結構注目点だ。部品点数が減り、コストダウンには繋がるけど、果たして、そこで得られる性能というものが現行モデルやクラスのライバルに対して優位に立てるモノを得ているか?というのが実に興味深い。
トーションビーム式というのは、間違いなくコストを抑えた構造である。コストを抑えた構造で、必要な性能を如何に確保するか?が重要。そして、アクセラが何故にトーションビーム式を採用したか?といえば、恐らくだけど、次期アテンザ以上とプラットフォームを分けるため。アクセラ以下のクラスはデミオ等の小型車のシャーシの雛型としての使命を帯びているからと伺える。考えようによっては、アクセラのトーションビーム化というのは次期アテンザのFR化の伏線とも言えるのだ。
ローコストのトーションビームで不満を与えない。コストを掛けずに性能を確保したい。これが次期アクセラの課題であり、そのための変更点が、独特な構造のセンタービームだったり、トレーリングアームの形状の見直しに現れているのだろう。
ただ、本質的にトーションビーム自体のバネ下重量の大きさであったり、センタービームの材料剛性に依存したサスペンション特性というのは、本質的な構造の特徴を飛び越せるのか?が気になるところである。
ホントに、この構造が性能面で勝るのであれば、それより上のクラスでも展開するのであれば理解出来ない事もないけど、上のクラスではトーションビームを選ばないのであれば、この型式を選ぶ必然というのは、やはりコストが第一と言わざるを得ないように思える。

また、これから登場するエンジンでは、スカイアクティブXというエンジンが存在するけど、あれはコンロッド長云々の話では無いけれど、2LエンジンでSPCCI燃焼という火花点火制御圧縮着火エンジンらしいけど、発表された機械的構成を見ると、マイルドハイブリッド的なモーターによる補助動力機構、高応答エア供給機とはいっているけどルーツ式スーパーチャージャーが組み込まれている。言ってみれば2Lエンジン+マイルドハイブリッド+S/Cという構成である。それで公開されたスペックが190PS/230N・m程度である。そうであるならば、燃費的には公称値で30km/L以上を掲げない限りは、既存のエンジンに対しての優位性を謳う事は難しいのでは?というのが直感的な感想である。
少なくとも2Lエンジン+過給器なら、出力的には250PS/35kg・m程度は今の時代に狙える数値である。ただ、そういうエンジンの燃費は公称値で15km/L程度。それに対してアドバンテージを発揮するのであれば、やはり30km/Lは欲しい。最低でも25km/Lが無ければ市場での競争力は発揮出来ないのでは?という印象が拭いきれない。
詳しいことは判らないけど、高効率なエンジンというのは、根幹部分はシンプル、制御が賢い、、、、そういうエンジンが正解のような気がする。

間もなく登場するアクセラだけど、シャーシ部分は以後登場する次期デミオ、CX-3といったモデルのベースになるものだろう。その出来というのは、今後10年のマツダの未来を左右するものとなるのは間違いない。

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