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2019年5月11日 (土)

復刻モデルのパターン

ヘリテイジとか、オマージュとか、ネオレトロとか、、、、そういう名前で昔のバイクを現代に蘇らせたようなパターンが90年代以降多い。

この先駆けは何か?というと、何と言っても1989年登場のゼファーだろう。

ただ、ゼファーというのがヘリテイジモデルに属するか?というと、それは少々違うような、そんな気がしないでもない。
登場時のゼファーの構成を振り返ってみる。
エンジンはGPZ400F系の空冷2バルブDOHC4気筒エンジン。これは、当時の現行モデルからの流用。車体はGPZ400F系に近いけど、一段と進歩したダブルクレードルフレーム、そして、その時代の主流とも言える足周り構成である。メーターはスピード、タコが異径のタイプでGPZ400F的なデザイン。外装こそZっぽいけど、よく見れば、89年当時の新型車らしいデザインである。つまり、復刻ではなく、Z400FXを正常進化させた形という風に見える。ゼファーの750では復刻っぽい香りが漂うけど、ゼファーの1100も復刻というよりもZ1000Jの正常進化版という雰囲気である。
同時代のライバルを見るとバンディット辺りと近い構成である。つまり、当時主流のレーサーレプリカとは異なる従来のスタンダードバイクの進化形として登場していた印象である。

この時代のネイキッドスポーツは、どのメーカーもそういう傾向。XJR、CB-SF、GSX等々もそうだ。よく見れば、各メーカーの過去の四発のデザインエッセンスを引き継いでいたけど、そこまでの雰囲気である。

ただ、このネイキッドスポーツがレトロ調、復刻調の路線に進み始めたのは、ネイキッドバイクが登場して一巡してからだ。カワサキのゼファーは進化形的だったけど、後継のZRXは明らかにZ1000Rの復刻仕様である。スズキのGSX250/400S刀なんて存在は正に復刻である。

ヘリテイジデザインと呼べるのは、これらが最初のモデルのように思う。CB-SFは以前に同じ様なモデルが存在しているか?というと存在していないし、XJRも以前のXJの焼き直しか?というと、エンジンが空冷4気筒という以外、エクステリアデザインに共通点は見出せない。

その後、復刻という形ではなくとも、時代的に60年代、70年代のデザインエッセンスを取り入れたモデルが数多く登場するようになっているが、生まれてきた形態は結構幅広く個性豊かである。

メカニズム迄もを過去のモデルに寄せて生み出しているモデルといえば、W650を発端とするW400/650/800の系統だ。これは、明らかに過去のW1~W3を引き継ぐ存在。エンジンは完全に新作の直立バーチカルツイン。この過去のデザインへの忠実度は目を見張るモノだ。同様にホンダのCB1100シリーズも然りである。過去のCB750Four~CB750Fの時代の空冷4発を現代に蘇らせた感じである。オートバイの個性を決めるパワーユニット、シャーシ、エクステリアの三大要素を作り込んできたモデルというのは、仕上がりも素晴らしい。

この三要素を作り込んでいくモデルを頂点とするならば、或る部分については既存モデルからの流用に留めて生み出されてきたモデルも存在する。その中での秀作といえば、カワサキのZ900RSだろう。パワーユニットこそ現行既存モデルからの流用だが、シャーシとエクステリアについては上手い具合に過去の名車をオマージュしている。

パワーユニット、シャーシといったコストの掛かる部分に現行車から引き継ぎ、エクステリアデザインで名車をオマージュしている代表格が新型KATANAだろう。外装を剥ぎ取れば殆どGSX-S1000だけど、外装だけで上手い具合にイメージを作りだしている。外装変更を最小限に留め、デカール類で手頃に風合いを変えたモノがヤマハのXSR系統だろう。

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