人力アシストツール
フリーパワーのような自転車で駆動をアシストするデバイス、結構見掛ける。
フリーパワーでは、クランクとチェーンリングの間に弾力性ブッシュを介在させる構造。ペダリングでクランクを回すと、ブッシュが潰されてチェーンリングを回す構造で、ペダリングにおける脱力時において潰されたブッシュが復元する際の弾力がチェーンリングを回す方向に作用するというもの。
ただ、これと似たモノは過去にも存在している。シリコンブッシュの変わりにスプリングを用いた構造のクランクも過去には存在している。原理は同じである。ペダリングにおけるトルクを利用してスプリングを変位させて、クランクが上死点、下死点時において変位したスプリングの反力でチェーンリングを回すというものだ。
他にも、ホイールで駆動のハブとリムの間の通常のスポーク部に回転方向に弾力変位するスプリングを入れて、踏んだ時の駆動力最大時においてスプリングを縮めて、踏み切った時の駆動力が抜けた時に縮んだスプリングが復元する時に、復元力でリムを回転させるという考え方。
ただ、大きな原理で考えれば、踏んだ力=駆動力であり、駆動力>踏んだ力には、絶対に成り得ない。踏んだ力=駆動力+弾性体変形力であり、弾性体に蓄えた力を遅らせて伝えるというもの。つまり駆動力を平滑化させるもの。一方で、力の一部が変化されるために、伝達効率から言えば、確実に一部の力はロスされているのは間違いない。
なお、この動力の平滑化というのは、通常の自転車の後三角の変形と開放で実際に起こっている現象でもある。ただ、弾性体を使ったものよりも、フレームの変位分だから非常に小さいだけなのである。
この動力平滑化システムを有効に感じるのは、ペダリング時に無駄の多い、クランクの回転速度にバラツキがあるような人だけだろう。ケイデンスが高い駆動負荷に対して踏む力が適切な入力が行える人には、損失を生むだけで何のメリットも無いというのが現実と言える。
クランキング速度がクランク一回転の中でばらついているというのは、膝を曲げて長時間一生懸命ペダリングするような人、高齢者、自転車に慣れてない人、異様に重たいギアでの登坂、、、、そういう状況に限定されると考えて良い。
| 固定リンク
コメント