単車のスチールトレリスフレーム
このフレーム、650ccのツイン以下の多く、それ以上の場合はスタンダード系モデルが中心、バリバリの運動性能追求モデルへの採用は稀で、例外は、カワサキの過給機モデルへの採用のみ。
廉価モデルへの採用というのは納得である。やはり価格を抑えたい。そして、国内以外の生産拠点においても品質を確保して生産できるというメリットは大きい。東南アジア生産モデルの多くはスチールフレーム車だったりする。
ただ、車体として組み上がった状態だと違いは判りづらいけど、フレーム単体の状態でスチールフレームとアルミフレームの重量差は驚く程の差であるのも間違いない。
初代アルミフレーム採用のRG250ガンマだけど、当時のスズキのアルミフレームの重さは相当に軽い。自宅納戸には500ガンマのフレームが転がっているけど、フレームを担いで三階の納戸に運ぶにしても、大した重さではないので楽勝だった記憶が鮮明。スチールフレームだと、こうは行かない。'83TZ250のフレームを屋根裏に運ぶ時、結構苦労した記憶がある。フレーム重量で倍半分違う。フレームは無理でも、せめてスイングアーム位はアルミにして欲しいというのが願いだったりする。
ただ、過給機系大排気量モデルがトレリスフレームを用いたのは、補機類の追加によって確保すべきエアの流れ、排熱の経路の確保にはフレームを熱遮蔽的に囲むアルミフレームでは機関にとってデメリットが多かったのが、その理由だろう。発生する熱を如何に逃がすか?過給するためのエアの取り込みを確保するためにエアインダクションボックスに繋がる経路でダクトを大容量、大口径で確保するにも空間的な余裕が大きいのもメリットだった筈だ。
逆に、そういう特殊な例が無ければ、スーパースポーツモデルにおいてはアルミフレームによる軽量高剛性というのは性能確保のためには維持したい筆頭アイテムとも言える。
これを選ぶか否か?というのは、モデルのキャラ付けに大いに影響しているとも言える。
この度のZX-25Rがスチールフレームなのもキャラとコストの兼ね合いからコストが押し切った感がある。他のモデルだと初代SV650Sのアルミトラスフレームと現行SV650のスチールフレームも名前は同じでも狙ったキャラの違いがフレームの違いに現れていると言える。
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