コロナ答え合わせ?
新型肺炎、年末から年始に掛けて中国で発生した新型肺炎への懸念は囁かれていた。
その段階で、入国規制を行わなかったのは何故?
当時から、そんな声は聞こえていたのだが、米国や北朝鮮でも早々と入国規制が行われたのに日本では、そんな気配は無し。
これが、そもそもの間違いだったのだろう。
そんな入国規制を反対したのは、やはり、政府、それから中国人観光客によるインバウンド消費目当ての観光地、観光業界。年間1000万人に迫る来日中国人の1/4~1/3が集中する春節時期における観光収入の目減りを許せなかった人達の声は小さくない。
政府が迅速に反応できなかったのは、テドロス率いるWHOの宣言の遅さ、そらから来日予定だった習主席への配慮だろう。ここでの入国規制対応は、今思えば完全なる後手対応で失策判定だろう。ただ、入国規制反対のスタンスの観光業界全体も目先の利益に捕らわれすぎていたのも間違いない。
特に、ダイヤモンドプリンセス号での問題対応が迫られている最中にも、入国規制の厳格化を行わず地域限定の入国規制に留まっていたのは、大きな失策と捉えられても仕方ない。
次の判定は、ダイヤモンドプリンセス号での対応。当時、神戸大大学院教授の世間を惑わす行動や、著名人やコメンテーターが専門家と見まごうような立ち位置で対応を否定していたのが記憶に残っているけど、結果的にダイヤモンドプリンセス号からの下船者を起点とした二次感染、三次感染が拡がっていない事を判断すれば、当時の情勢から言えば、船内待機の上で症状観察の上での上陸判断を行ったのは、当時の検査能力、隔離患者収容能力を考えれば施策的には正解だったと言える。
第三の判定は、東京五輪の開催への拘りを長く持ちすぎたこと。これは、政府、東京都共に言えることだけど、世界の感染状況を見れば、三月早々の段階で開催見送りは判断すべきと多くの人が考えていたのも事実。その状況下で、小池都知事、橋本五輪相等の五輪実施ありきの発現は明らかに大きな違和感しか残っていない。五輪延期決定前後の行動を見ると、五輪決定延期を進言出来なかった、政府、東京都の判断は、第一の春節前来日禁止が出来なかった判断並の失策と言える。アテネにおける採火式の異様な状況、ランナー無しでの聖火リレーとか、そんな事を言う事自体に違和感しかなかっただろう。
第四の判定は、非常事態宣言発布のタイミング。遅すぎたという声が支配的だが、感染者の重症化率、致死率を考慮すると、判断は簡単ではない。施策実行者に対する否定的、批判的意見を述べるのは無責任故に簡単だけど、当事者に成り代わればタイミングの批判は安易に行うべきでないように考える。現状を憂い、タイミングが遅かったと批判するのは簡単だが、そもそも現状が憂うべき状況か否かの判断自体も難しい。
非常事態宣言のタイミングが遅い、現状は悲惨という風な空気を作っている一番の要因は、感染者数の増加状態というよりも、報道を中心としたマスコミの作り出す空気感の方が大きいように見ることも出来る。
マスコミの報道する方向性が、根拠となる数値を正確に伝えているとは疑わしいという疑念が残っているし、マスコミの体制批判の方向性が色濃く見え隠れしている。
勿論、世間の空気感だけで行動する民衆の心理を圧迫するという意味を持って脅迫的な報道を行っているのかもしれない、事実とは異なるような味方で煽動している傾向が強すぎるように感じる。これは、ダイヤモンドプリンセス号での実態暴露ということで、神戸大大学院教授の暴露動画を、その正確性の裏付け無しで放送していたメディアの体質かもしれない。
現状、国内では希望者に全員PCR検査を受けさせろ的な報道が多い。ただ、医療現場の声を冷静に聞くと、医師の判断した患者に対して迅速な検査をという声だけど、メディアを通して聞けば、不安を抱く人全員が受けられるようにすべきという声に変換されているように聞こえる。
そもそも、当初の検査が絞られた状態は、検査能力と感染後の症例傾向から生まれた施策。そして、多くの感染者が出てくる事で、感染後症例の傾向は、より確度の高いモノとなっている。当初、重症化率は2割との話だけど、現状の重症化率は2%、致死率は検査後感染者中比率で2%以下という状況。一方で検査能力は一定程度は高まっているけど、他国のような大量の検査が行える状況でも無いのが現状。
そういう状況から見れば、これまでの一定基準以上で相談した後に検査可否を判断して、必要に応じて隔離入院させるというのは間違っていないように思う。
医療従事者の負担を増やさないためには、相当数を自宅待機で活動自粛し、自己免疫による治癒に委ねるというのが唯一の選択肢のように思うが、無症状感染者、軽症者迄も隔離施設で隔離するというのは手間ばかりかかるようにも見える。
すべてを検査して感染者を隔離するというのは、感染力と感染者数の増大傾向から見ると無意味としか見えない。活動自粛後の自己経過観察で隔離入院させる判断基準を医療の余力に併せて調整するというのが正解のように見える。優先度の高い医療を重点的に行うというスタイルを守るべきだろう。
このところの方向性のブレは、個人的にはメディアの狂乱的な報道が大きく影響しているようにも見える。
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