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2020年7月 3日 (金)

ステム長

ステム長といえば自転車のリーチ調整に欠かせないパーツとされている。
ところで、リーチといえば、グリップ部からバークランプ位置を経由してサドルセンター迄の距離。ここで便宜的にバークランプ位置からサドルセンター位置迄の寸法は、ステム長+トップチューブ長+サドルセットバック量-ステムとトップチューブのオーバーラップ長になる。この内、オーバーラップ長が結構忘れられがちとなる。
ステムとトップチューブが一直線上であればオーバーラップはゼロとなるけど、ステムが上に移動するとオーバーラップが発生する。アヘッドステムの場合はオーバーラップは僅かで30mm程度かもしれないが、クイルステムの場合はステムハイトによるけどオーバーラップ量は相当な量となる。ハンドル位置を上げると、オーバーラップ量が増大するためにリーチを確保するためにステム長を長くするとどうなるかというと、操縦性や安定性の面で影響が出てくるモノである。
二輪車ではヘッド部分でフォークとフレームがジョイントされているが、そのジョイント部(コラムセンター部)から真横方向で広い間隔でハンドルを支える程、広い蛇角範囲での操作性の自由度が高まる。ステム長が短い程、グリップ部においてハンドルを支える力がハンドルの蛇角旋回方向に大きく配分される。つまり軽い操舵力でハンドルを扱うことが出来る。
一方で、ジョイント部からみて前方向で狭い間隔である程、つまりステム長が長くなり左右のハンドルグリップ部がコラムセンター部で為す角度が狭い状態では、グリップにおいてハンドルを支える力のハンドルの蛇角旋回方向に配分される力は小さくなり、ハンドルを固定する方向の力が大きくなる。特に、前傾姿勢でハンドルへの荷重配分が大きいと操舵の自由度が小さくなる。これによるメリットは高速域での外乱からの安定性が高まるということになる。

ハンドリング面から見れば、蛇角によって積極的に操舵する場合は横方向に広いハンドル、操舵をバンク中心で行い路面外乱に対する安定性を重視する場合は、前方向の狭いハンドルということになる。
適切なステム長というのは、走行エリア、速度域にもよって異なるが、綺麗な路面で直進性を重視する程長くなるというのが基本である。
自転車においてステム長というのは、それ単体で決めるのではなく、用途に応じて、ポジションに応じて、最適地というのは大きく変わってくるモノ。ハンドルグリップ位置がそれ自体で前方にシフトするようなDHバー、ブルホーンバーの場合は、ステム長が長すぎると曲がらなくなる。アップライトポジションでも操作性重視のMTBの場合はステム長は短くすべきだけど、アップライトポジションでも安定性重視の旅行車の場合はステム長は長くすべきとなる。

また、一つのフレームでハンドルハイトを変更すると、ステムとトップチューブのオーバーラップ長が変化するので、それに応じたステム長の調整が必要となる。ハンドルを低くするとリーチが離れるのでステム長を短くすべきだけど、前傾度が高くなるにも拘わらずステム長が短くなりすぎるのは、場合によっては車体の安定性が損なわれる場合もあり得る訳で、その辺は注意すべきである。まぁ、今時のアヘッド式フレームの場合、ステムハイトの調整幅が限られるから問題は無いかも知れないが、、、、。
本来ならポジションを変え、用途を変えるならフレームから見直すのが正論なのである。

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