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2021年3月 2日 (火)

センタープル

吉貝から復刻されているキャリパー、最初はGC-610のタイプ、後から出てきたのがGC-700のタイプ。
デザイン的に人気があるのは、恐らくGC-700のタイプ。
ただ、個人的に好きなのはGC-610のタイプ。
違いは何処にあるか?というと、構造的な最大の違いはシューの留め方。
GC-700はカンティブレーキと同じ構造、ギロチン留め。
GC-610は現行キャリパーブレーキと同じナット留め。

留め方の違いで特徴の違いを挙げれば、双方にメリット、デメリットがある。

GC-700の場合、シューの固定位置がストローク方向に調整代がある。それ故に、細いリムに装着してもキャリパーが綴じ込んだ状態にならないので、レバー比が異常になりにくい。しかし、構造上、シューのトーイン調整がシムを使ったり、アームを曲げたりという昔ながらの方法に依存する。
GC-610の場合、その真逆のメリット、デメリットである。シューのトーインは現行キャリパーを使えば可能。一方で、ストローク方向へのシュー固定位置の調整代は基本無し。通常のキャリパーブレーキ同様。つまり、細いリムに使うとキャリパーが綴じ込んだ状態となるのでレバー比に影響が出る。

個人的にはシューのトーイン調整に今時のシューを使って対応が出来るGC-610タイプの方が好み。

東叡スポルティーフには当時モノ鍛造製のGC-610を使っているし、レストアしたユーラシアスポルティーフには現代の復刻版NC削り出しのGC-610を使っている。

当時モノと現行のGC-610の違いは、ブレーキアームのシュー固定用穴の幅。当時モノはタイトでありBBBの舟付きシューが使えない。復刻版は幅が十分あるのでBBBの舟付きシューが使える。舟付きシューを使えばシューハイトが高くなるので比較的細いリムでもキャリパー角度が許容範囲内に収まる。

効き自体は今時のデュアルピポットブレーキの方が優れるけど、見た目が大事。アーチワイヤーのまん中を引き上げるという動作が渋い。カンチブレーキよりソリッドな効き味である。

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