超アンダーパワーで楽しむ
二輪車の楽しみ、何と言ってもアクセルを開けた瞬間に必要なトルクがダイレクトにズバン!と取り出せる事による操作って部分。思い通りにトルクが取り出せるから、思い通りに運動状態を変化させる事が出来る。これが最大の楽しみ。
右手に直結したレスポンスを得る、、、、そのためのエンジンというと、何と言っても2ストロークエンジン。2ストロークエンジンをしてパワーバンドから急激なパワーの立ち上がりを挙げる人が居るけど、あれって、大間違い。パワーバンド外からパワーバンドに入れた瞬間の驚きを楽しむものではない。2ストロークといえば、基本、パワーバンド内で走ってナンボの世界である。パワーバンドの中では右手の動きに直結してパワーが取り出せる。これが一番なのである。パワーバンドは狭いけど、その中で走る限りには、ダイレクトなレスポンスで、自在に運動状態を変化させる事が出来る。これこそが2ストロークスポーツバイクの醍醐味。
他の選択肢としては何か?
これは、、、燃焼復元力が極めて強く、そして爆発を受け取る部分の抵抗が最小という構成。エンジン型式で言えば、、、、そう、ショートストロークVツインエンジンだ。同じVツインでもロングストロークエンジンではダメ。ショートストロークエンジンに拘りたい。
そもそも、ショートストロークエンジンという段階で、設計者自体、エンジンには回転上昇の速さを求めている。それ故に、カムなりコンプレッションなりが、素早い回転上昇を実現する構成となっているもの。アクセルを開けた瞬間にダイレクトにトルクが取り出せて、その瞬間に回転上昇が始まるピックアップの鋭いエンジンだ。レスポンスだけならショートストロークのビッグシングルもアリだけど、シングル特有の振動を考えると回転上昇は得意だけど、上昇した回転数を維持すると言う事を考えると、シングルよりもツインだろう。これを一般道で楽しむとなると、一般道を走るギアポジションに何を選んでも図太いトルクによるレスポンスを満喫するとなると、そこそこの排気量が必要。所謂ミドルクラス以上リッタークラス迄というところ。こういうスケールのショートストロークVツインエンジンというのは、高いギアポジション+低い回転数で低い速度域からダイレクトなトルクを取り出す事が出来るし、低いギアポジションで一気に引っ張る状況でもショートストロークエンジンなりの回転上昇を楽しむ事が出来る。
自身、2ストロークエンジンとか、相応の排気量のショートストロークVツインエンジンが好きなのは、そういうレスポンスの優れたエンジンで、一般道において運動状態を思い通りに変化させて楽しめるというのが最大の理由。
しかし、その反面、それとは180°真逆の構成も、それはそれで楽しかったりする。
真逆といえば、完全にアンダーパワー、全域トルク不足という構成。
具体的にはAV50のようなバイクだ。これ、規制の掛かった後期型で平地最高速度は60km/h+αが限界の原付。急勾配だとローじゃないと上らない。ローで限界迄引っ張って15km/h程度。これでタラタラ上る。セコに入れると確実に回転がドロップする。いつも全開走行だけど、速度は殆どでない。普通に平地走行する時、ローで回転を上げてスタートしてもクラッチミートで失速、、、、ギアが離れているために、変速する度に加速度が鈍るようなモノ。この限られたパワーを無駄なく使うためには、シフトアップは相当な高回転で行う。クラッチミートも回転ダウンさせないように繊細な操作。半クラを使うと逆に失速気味となるので、敢えて唐突なクラッチ再ミート、、、、ローからセコへのシフトアップで、回転を落とさないままのクラッチミートを繰り返していると、前輪がホップ気味、、、、そうまでしても大した速度にはならない。
勾配にもよるけど、数%の勾配ならセコで全開なら登坂トルクが得られるけど、少しでも回転を落とすとトルク不足で回転が落ちるような場面では、曲がりくねった道でも回転が落ちないように全開で上れるようにライン取りに拘ったりする。
パワーの無さ、トルクの無さを受け入れて、無いなりに楽しむ、、、、これはこれで結構楽しい。
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