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2021年7月 7日 (水)

mRNAとALC-0315の身体への影響

mRNAは、数分から数日といった時間の経過とともに分解されていきます。また、mRNAは、人の遺伝情報(DNA)に組みこまれるものではありません。身体の中で、人の遺伝情報(DNA)からmRNAがつくられる仕組みがありますが、情報の流れは一方通行で、逆にmRNAからはDNAはつくられません。こうしたことから、mRNAを注射することで、その情報が長期に残ったり、精子や卵子の遺伝情報に取り込まれることはないと考えられています。

と説明されている。これについては理解出来る。しかし、、、、ALC-0315はどうだ?

https://www.mhlw.go.jp/content/10601000/000739137.pdf

を読んでみる。すると、次のALC-0315は、

申請者は、ALC-0159、ALC-0315及びDSPCの単回投与毒性、反復投与毒性及び生殖発生毒性について、本剤の毒性試験(CTD4.2.3.2.1、4.2.3.2.2及び4.2.3.5.1.1
)の結果に基づき説明している。また、これら新添加剤の遺伝毒性について、投与経路の異なる使用前例、構造活性相関による変異原性評価(専門的経験に基づくルールベースの方法及び統計ベースの方法)等により安全性に懸念がないと説明している。
機構は、以下のように考える。
ラットにおける反復筋肉内投与毒性試験では、肝臓への影響(血中GGTの増加及び肝細胞の空胞化)が認められているが、毒性学的意義は低いと考えられる(5.R.1参照)。また、ALC-0159、ALC-0315及びDSPCは本剤の製剤特性を担保するために必要と考えられることから、本剤にこれらの添加剤を使用することは可能と考える。しかしながら、本剤の毒性試験では長期間の反復投与毒性が評価されていないことから、これらの添加剤は、本剤の用法・用量に限った使用とすべきであり、使用前例として取り扱わないことが適切と判断した。

次に、ALC-0159、ALC-0315の代謝について調べると、
4.3.1 ALC-0159及びALC-0315の代謝(CTD4.2.2.4.1~4.2.2.4.7)
マウス、ラット、サル及びヒトの肝ミクロソーム、S9画分及び肝細胞に、ALC-0159又はALC-0315(最終濃度:肝ミクロソーム及びS9画分では1.5 μmol/L、肝細胞では1.0μmol/L
)をそれぞれ添加し、37°Cで2時間(肝細胞では4時間)インキュベートした後のALC-0159及びALC-0315の未変化体の残存割合は、すべての試料で90%以上であった。

マウス、ラット、サル及びヒトのS9画分、肝細胞及び血液に、ALC-0159又はALC-0315(最終濃度10 μmol/L)をそれぞれ添加し、37°Cで24時間(肝細胞では24時間)インキュベートした後の代謝物が検討された。各動物種のS9画分及び肝細胞、並びにマウス及びラットの血液において、ALC-0159ではアミド基の加水分解物、ALC-0315ではエステル基の加水分解物が確認された。

4.4排泄
4.4.1ALC-0159及びALC-0315の尿糞中排泄(CTD 4.2.2.2.1)
ラット(雄3例)にルシフェラーゼ遺伝子発現mRNA-LNPを単回静脈内投与したときの糞中及び尿中のALC-0159及びALC-0315が検討された。投与後336時間までにALC-0159及びALC-0315の未変化体は糞中にそれぞれ約47.2%及び約1.1%)が排泄され、尿中の未変化体はいずれも定量下限値未満であった。と説明されている。

そこで、(5.R.1参照)を辿ると、
5.R.1.肝臓への影響について
機構は、ラットにおける反復筋肉内投与毒性試験で認められた血中GGTの増加及び肝細胞の空胞化について、本剤接種によるヒトでの安全性を説明するよう求め、申請者は以下のように説明したラットにおける反復筋肉内投与毒性試験で認められた血中GGTの増加及び肝細胞の空胞化の発現機序は不明である。しかしながら、肝細胞の空胞化については、形態学的に脂肪滴に類似し、門脈域の肝細胞に局在すること、本剤に含まれるLNPを用いたラットにおける非臨床薬物動態試験で、脂質の肝臓への分布が確認されていることから(4.1及び4.2参照)、脂質が肝細胞に取り込まれたことにより生じたものと推察される。血中GGTの増加及び肝細胞の空胞化は、いずれも軽度かつ回復性が認められたこと、本剤投与により肝臓及び胆道系への傷害を示唆する病理組織学的所見及び臨床検査値(血中ALT、AST、アルカリホスファターゼ及び総ビリルビン)の変化も認められないことから、いずれも毒性学的意義が低い所見と考える。
本剤接種によるヒトでの安全性について、海外C4591001試験の第II/III相パート(7.2.2参照)における肝胆道系の有害事象の発現割合は表8のとおりであった。また、国内C4591005試験(7.1参照)において、肝胆道系障害に関する有害事象はデータカットオフ日(2021年1月5日)時点で報告されていない。
以上を踏まえると、本剤接種によるヒトでの肝毒性に関するリスクは低いと考える。

とのこと。

この長い文章の要約は、反復筋肉内投与毒性試験で認められた血中GGTの増加及び肝細胞の空胞化の発現機序は不明である。しかしながら、肝細胞の空胞化については、形態学的に脂肪滴に類似し、血中GGTの増加及び肝細胞の空胞化は、いずれも軽度かつ回復性が認められたこと、本剤投与により肝臓及び胆道系への傷害を示唆する病理組織学的所見及び臨床検査値の変化も認められないことから、いずれも毒性学的意義が低い所見と考える。

ということである。

ただ、この大丈夫という結論を示した表8を見ると、、、、報告書のの28頁上部の表であるが、そこには、

海外C4591001試験における肝胆道系の有害事象(安全性解析対象集団、データカットオフ日2020年11月14日)本剤群(N=21,621)プラセボ群(N=21,631)で比較している。比較項目は、肝胆道系障害、胆石症、胆道疝痛、胆嚢炎、胆管結石、アルコール性肝硬変、胆嚢障害、急性胆嚢炎、肝硬変で評価されているが、

最初の肝胆道系障害については、本剤群が14/21,621(0.1%)、プラセボ群が5/21,631(0%)という表記を見ることが出来るが、それ以外の表中の数値は全て黒塗りで内容は確認出来ない。つまり、本剤群はプラセボ群よりも顕著に傷害が現れていると推測することが自然である。

なお、多くのデマとされる項目についての結論を紹介すると、

5.3遺伝毒性試験
本剤に含まれるmRNAは天然型の核酸から構成され、新添加剤(ALC-0159、ALC-0315及びDSPC)にも遺伝毒性の懸念がないことから(2.R.4.2参照)、本剤を用いた遺伝毒性試験は実施されていない。

5.4がん原性試験
本剤は臨床での使用が6カ月以上継続される医薬品ではないことから、本剤を用いたがん原性試験は実施されていない。

5.5生殖発生毒性試験
ラットにおける生殖発生毒性試験が実施された(表7)。本剤投与により、親動物及び次世代への影響は認められなかった。

とのこと。懸念が無いことから毒性試験は実施していない、それと生殖発生毒性試験では影響が認められないということ。

これらの公的報告書から判断すると、mRNAを保護する新添加剤は、肝臓、胆嚢に何らかの影響があるということ。但し、その影響は要領を守り少量の使用ならば容認できるという結論である。逆に言えば、反復的に継続的な接種を繰り返すのは好ましくないということ。

ALC-0315の代謝は肝臓内で行われるものの、短時間に速やかにとは表記されていない。実際、336時間以内の糞尿中の未変化体はALC-0159が47.2%、ALC-0315が1.1%確認できたとのことだが、それ以外(各々50%以上、99%近く)は体内に残留している可能性を示唆している。

これは個人的な感想だが、1.1%が336時間、つまり2週間で体外に排出されるということは、壊れにくい安定なALC-0315の99%は肝臓に残っているということか?これが2週間で1%ずつしか排出されないのであれば、99週間、つまり2年間は体内に残りうるということなのだろうか?二回接種すると4年?まぁ、そんな事は無いだろうけど、mRNAを守る鳥かごのような頑丈なAPC-0315が、どの程度、体内に残り、影響を及ぼすのか?が気になるところである。複数回接種するということは、それだけの量が残り続ける事になり、このリスク評価はどうなっているのだろうか?

そんなALC-0315だけど、報告書の表8の黒塗り部分の肝臓、胆嚢への影響を誘発していると考える事が出来る。表8を考慮すると、肝臓に何らかの疾患、肝炎、肝硬変、脂肪肝等々の持病を有する人が、接種によるALC-0315の滞留によって影響を受けて、黒塗り部分の疾病が発現したり悪化する可能性についての言及が、この報告書には認められない。

本来なら肝臓、胆嚢にダメージを受けている人には接種を推奨すべきでないと考えるが、元々ダメージを受けている人には、ALC-0315接種でトドメの一撃で病状が発症してもワクチンが原因とは言いきれないということでスルーするつもりなのだろうか?この辺の情報と対応を理解するのが少々難しく感じる部分でもある。

この辺の情報開示を正確に行って欲しいというのが、河野君への要望だったりする。

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