ゼファーχ
前身のゼファーは1989年登場。GPZ400Fのエンジンを大幅にディチューンして、当時の250ccの規制値+1PSというスペックで登場。46PSである。この出力、250ccよりはパワー在るぜ!を言っているような数値。
エンジンの外観はGPZ400Fとは異なり随分穏やかな雰囲気。カムカバーのデザイン、エンジンのフィンの形状がそんな感じ。
ただ、GPZ400F迄と同じということで、色んなパーツが流用可能。550cc化、630cc化等も可能。或る意味、ベース車両としては楽しい一台である。
初期のC1、C2は評判が良くなかったスピードとタコが異径のメーターを装備していた。
これはこれで大ヒットして、GPZ400R以来のカワサキミドルのロングヒットを記録した。
しかし、ライバル車であるCB400SF、バンディッド、XJR400Rといったモデルは53~59PSとスペックを落とさない仕様で登場。次第に販売が苦しくなってくる。
その後、カワサキが満を持して登場させたのがゼファーχである。1996年に登場。ゼファーと比較すると各部がブラッシュアップされていたのが印象的。テールカウルのデザインも変わっているし、ホイール、ブレーキ、フォーク、ダンパー類も見直されている。
最大の変更点は何と言ってもカワサキ初の空冷DOHCの4バルブヘッドである。
これ、登場した時に暫く借りて乗っていたのだが、印象は今一。
エンジンは軽く回るけど力感に乏しい。非常に軽い感じである。吹け上がりのシャープさは、2バルブで51/54PSのGPZ400/Fの方が遙かに上手。低回転での強さもFXとかZGPに及ばない。正直、あまり良い印象は持たなかった。乗った時の第一印象、メットの中で、『オイ、ゼファー、馬力は忘れてきてないか?』というのが印象。ホント、遅いのだ。この時代のエンジン、基本、ガス薄すぎ、、、、トルク感ゼロである。多分だけど、2000年頃の中小排気量エンジン、排ガス絡みで牙が完全に抜かれている。そして思ったのが、これだけ薄いから熱も出ない。だから4バルブOK?って印象である。
そういうネガティブな印象の最大の理由、それは、、、、カワサキがZ1/Z2~J系に至るまでDOHC空冷2バルブエンジンの理由は?との開発者インタビューで、空冷DOHCで4バルブは熱的に厳しい。空冷なら4バルブの優位性は無いから!と断言していたのを覚えているけど、それを撤回?って印象が大きいから。
実際、乗って目一杯回しても、マトモな加速するのはメーター読みで170km/h程度。それ以上、条件が揃って長い直線があれば出るかな?的。GPZ/Fのような空気感は全く無かったのが残念と言えば残念。個人的にはGPZ400FⅡを期待していただけに非常に残念な印象が強かった。ただ、ゆったり走るには気持ちよい。如何にも軽く回る四気筒って感じである。
ただ、さすがカワサキである。ゼファー、何と言ってもカッコイイ。これが全て。
個人的には、ゼファーχは4バルブではなく、GPZ400Fのエンジンをそのまま載せて欲しかった、、、そんな思いが今でも消えない。
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