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2022年4月27日 (水)

メッキシリンダーのビッカース硬度って、、、

2020年頃、Mr.BikeBGの記事で古いバイクのシリンダーのメッキ化でビッカース硬度が2,000以上だから全然良い!って記事が目に付いたけど、あれって、凄い違和感。

そもそもメッキのような被膜の場合、硬度はマイクロビッカース硬度でビッカース硬度とは違う。マイクロビッカース硬度は、小さな荷重でメッキ被膜を支える母材への変形が無い前提のモノ。そして、メッキってのは実はポーラスで、そして部分的に非常に薄い。マイクロビッカースの硬度値をビッカース硬度値として雑誌表記するって、、、アホだろ。

そして、ビッカース硬度が高いので耐摩耗性に優れるって言ってるけど、シリンダー修道は油膜介在の境界潤滑状態。そして、耐摩耗性保持は、境界部に存在する液膜保持の性質が重要。液膜を蓄えるのに効くのが鋳鉄シリンダーのホーニング処理。メッキシリンダーにホーニング溝は殆ど無い。そして、メッキシリンダーのメッキ成分はNi、Si系である。実は活性度の高い金属。オイルを切らすと焼き付きやすいのも事実。

しかし、従来の鋳鉄シリンダーはホーニング処理もバッチリ、金属自体も潤滑性の優れるカーボンを多く含んでいる。

モノとして寿命を考えれば、絶対的に鋳鉄シリンダーが優れる。メッキシリンダーの場合、劣化したらシリンダー交換。これが前提のモノ。高精度の一時利用ならメッキシリンダーが良いだろうけど、ユーザーが十数年に渡り維持するなら、どう考えても鋳鉄でしょ。

そもそもメッキってのはアルミ地に処理しているもの。そして、メッキ層はNi系で母材アルミとは物性は大きく違っている。長く使っていると、案外、ブリスターが原因で剥離したりするもの。その辺、知って記事にしているのかなぁ、、、、

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