GSX-8SとSV650
スズキから登場した新世代ミドル。これまでのミドルといえば650ccが普通だったけど、MT-07の登場以降、ミドルクラスの排気量が拡大傾向。ホーネットで755cc、今回のGSX-8Sで776ccである。出力も650ccに比べて強力。SV650の72PSから83PSである。因みに、ホーネットで93PSだ。随分と強力になったものである。重量はSV650の199kgから僅か3kg増の202kgに抑えられている。スペックだけ見ると、なかなか魅力的。少し前のMT-07系から発展したYZF-R7は688ccの排気量から73PSを発生するに留まっており、排気量が700cc未満の従来ミドルというと出力は70PS強、それに対して750ccを越える新世代ミドルは80PSを越えてきている。
では、排気量アップに伴いパワーアップを果たした新世代ミドルであるホーネットやGSX-8Sは、魅力的かというと、悪くないけど買っちゃおうという気迄にはならない。
物欲を刺激しない最大の理由は、、、見た目は現代的でカッコイイのかもしれないけど、スチールフレームの車体に、270°クランクパラツインという構成。これ、メーカー関係無しで同じ。メカニズムなんて関係無いかも知れないけど、単車を愛でる上でメカニズム的な特徴というのは拘りたい。270°クランクパラツインというと、鼓動感の上では魅力的だけど、高回転を回そうと思えばバランサが必須。これならVツインの方が遙かに魅力的となる。並列エンジンならツインよりも4気筒マルチの方が魅力に感じる。
個人的には、現行世代よりも前世代の650ccミドルクラスのモデルの方が更に魅力的。一昔前のミドルクラスというと、国内400cc市場との姉妹モデルとしての650ccということで、車体は一回りコンパクト。出力レベルは現行世代650ccミドルと変わらず、重量が概ね10~15kg減、そして車体もコンパクトに纏まっていた初代SV650S世代のモデルの方が好みだったりする。現行世代ならば直4エンジンのCBR650Rや636ccのZX-6Rの方が魅力的に見える。
今回登場したGSX-8S、リカージョンの登場以来、スズキの次世代ミドルというのはパラツインというのが既定路線だったのは理解出来るが、これによって遠くない将来、SV650は消滅するのは間違いない。これが残念。Vツインで800cc、、、そういうモデルを願っていたけど、各メーカーのニューモデルを見ると、もうVツインエンジンを搭載したミドルクラスってのは登場しそうにない。非常に残念である。
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