リンクレスモノサス
最近、こういうのが多い。
モノサスの最初期の形は、ヤマハDT125/250で採用した空飛ぶサスペンション、モノクロスサスである。
これもリンクレスモノサス。
その後、モノサスが登場したのがカワサキのユニトラックサスペンション、そしてホンダのプロリンクサスペンション、スズキのフルフローターサスペンションである。
カワサキ以降のモノサスは、初期のヤマハのモノサスとは異なり、サスペンションがストロークするに連れて漸増的にスプリングレートが高まるような構造で、これをプログレッシブレートというけど、ホンダのプロリンクのプロは、このプログレッシブレートから採られた名前。つまり、リンク式サスペンションは、ストローク初期では優れた追随性を持ち、ストローク端では底付きさせない大きな荷重を受け止める特性を利点としている。
ただ、近年のモノサスはリンクを廃した構造が少なく無い。これはスプリング自体がマルチレートスプリングで小さな変位は小さなバネ定数、大きな変位で大きなバネ定数を得る事が可能となったため。そのため、リンクレスモノサスが広まってきている。
ただ、リンクレスモノサスをピポット近辺に取り付ける構造では、リンク式モノサス等と根本的に異なる部分がある。それは、サスペンションストロークに対するユニットストロークの違い。リンク式ではダンパーユニット自体が大きなストロークを確保する事ができるけど、リンクレスではストローク自体が制限される。ストロークの制限でもたらされる弊害といえば、バネの強さではなく、ダンパーの調整自由度。ストロークが小さければ、それ自体で自由度が制限される。リンクレスにするのであれば、ダンパーの取付位置はピポットに近付けすぎず、ストロークが稼げる位置でないと厳しいかもしれない。
リンク式なら、リンクレバー比でダンパーストロークは必要量確保するのは簡単だけど、リンクレスでは厳しい。
ただ、性能的に求めすぎないカテゴリーなら十分ということで、ミドルクラス以下のシティバイクでは、リンクレスモノサスが増えている。
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