サバンナGT
マツダのロータリースポーツの始祖といえば、RX-7シリーズの前身、輸出名RX-3を名乗るサバンナGT、国内のロータリー専用車サバンナのトップグレードだろう。
サバンナは初代が昭和46年に登場。フロントは独立型フロントグリルの両サイドにヘッドライトベゼルで挟んだデザイン。フロントグリルは正六角形のハニカムグリル、センターにロータリーデザインのエンブレムが嵌め込まれている。テールランプはメタルガーニッシュに片側が三連円形ライトを配したデザインだ。ラインナップはセダンとクーペの二本立てで登場。
エンジンはプレストロータリーと同じ10A型ロータリーエンジンだ。
グレードはセダンがGR/GRⅡ、クーペがGS/GSⅡだったように思う。クーペは珍しく後席のサイドウインドーが昇降可能だったように思う。
この初期型のサバンナは市場では殆ど見掛ける事が無い。
このモデルは翌年マイチェンし、グレードとして輸出名RX-3を最上位グレード車サバンナGTとして追加。基本的なデザインは継承しながらも、テールランプはガーニッシュが樹脂化して、テールランプ自体は片側三連のテールだけど、形状は完全円形ではなく、若干異形の卵型に近い楕円テールに変更。レンズ外周にメッキベゼルが嵌め込まれていた。なお、サバンナGTは他のグレードとは異なりカペラと同じ12A型ロータリーエンジンを搭載してる。グレード体型は、セダンがGR/GRⅡ、クーペがGS/GSⅡ/GT。
ここまでが、排ガス対策が施されていないロータリーエンジンである。
更に、翌年になると排ガス対策としてAPシリーズを名乗るモデルにマイナーチェンジ。排ガス対策はサマールリアクター方式、特徴はマフラーが横長の排気管。マフラーカッターはシンプルな一枚板で成型されているのが特徴。エンジンは排ガス規制対応のためか、全車がリープス3の12A型ロータリーエンジンに換装されている。フロントグリルは横位置文字のモールの下にセンターにラジエターグリル、サイドにヘッドライトベゼルを配置したモノで一段と精悍さを増している。ハニカムは横長六角形タイプ。バンパーも中央部が尖ったデザインとなる。テールランプは片側円形三連から、六角形レンズの片側三連となる。なお、ウインカーレンズは三連の真ん中で小振りのデザインとなっている。テールランプベゼルは先代同様だけど、左右ベゼルの真ん中のトランクリッドキーホールの部分にREのエンブレムが貼り付けてあるのが特徴。このモデルは歴代で最も燃費の悪いモデル。グレードはセダンがRX/GR/GRⅡ、クーペがGS/GSⅡ/GT。ワゴンも登場しておりこちらのグレードはGR/GRⅡだったと記憶している。
二年後の昭和50年、更にマイナーチェンジを行い、当時登場したコスモと同じ世代のロータリーエンジンとなる。グレード等の変更は少ないが外観上の違いは少なからず存在する。こちらは、マフラーのマフラーカッターが一枚板を成型したデザインから、マフラーカッター自体が複数枚プレートで多重構造となっている。これが最大の違い。他には、左右テールランプベゼルは挟まれたトランクリッドキーホール下のREエンブレムが廃止されているくらい。
最終モデルは二年後の昭和52年に登場。こちらは先代モデルと基本的に同様だが、最大の違いはフロントバンパー下にチンスポイラーが追加されて精悍さを増している。最大のエポックはサバンナのレース100勝を記念した限定車V100モデルが追加されたこと。これは、前後のバンパーが輸出仕様と同じ5マイルバンパーという大型のブラックバンパーに換装され、テールランプが特徴的な六角形テールから、小振りの長方形を片側に三連配置したデザイン。なお、グリル等のメッキモールは殆どがブラックアウトされているのも特徴だ。これがファイナルで、昭和53年登場のRX-7にバトンを渡すことになる。
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