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2023年1月 7日 (土)

ATの多段化とかCVTとか

これが今の四輪車の変速機のトレンド。
この方向というのは原動機であるエンジンの回転数を一定に保って、ギア比を変える事で速度をコントロールするという思想が根底にある。
確かに、原動機の効率の最も優れる運転状態を保ち、変速比を変える事で、運転者が望む速度を作り上げるというのは合理的とも言える。

ただ、この考え方には違和感の方を強く感じるモノ。

なぜならば、この考え方に従えば、極論すればエンジンは常時一定で回転すれば良いというもの。にもかかわらず、実際の原動機のエンジンといえば、比較的広い回転域で高い効率を実現し、十分な出力を取り出す事が出来るような機構が、大昔から取り入れられている。つまり、エンジン側は幅広い運転域で性能を発揮できるように誂えられている。

CVTのような無断変速であったり、8速、10速といった超多段化を図るのであれば、エンジン側に、広い回転域で性能を発揮させるというのは矛盾をはらんでいるといっても良いだろう。

エンジンが広い範囲で良好な性能を発揮できるのであれば、逆に言えば、変速段数は少なくて済む筈である。各ギアでエンジンの回転数を変動させる幅が各ギアでの速度の守備域ならば、4~5段もあれば十分だろう。実際に、長い間主流であったマニュアルミッションの変速段数で5段もあれば、全域をカバー出来ている訳で、仮に自動変速であったとしても5段で十分だろう。

8段を超える超多段、、、こういうギアボックスは、過去においてどんな状況で使われていたか?というと、今は無き二輪のGP50のようなレーサー等で18段変速なんてトランスミッションが用いられていたけど、そのような超多段が使われていたのは、極々限られた狭い回転域でしかエンジンが望む性能を発揮出来なかったからだ。その回転域を外したら使いモノにならない。その問題を解決するためにギア比の選択段数を大幅に増やしてきているもの。これなら超多段のトランスミッションの必然性は当然理解する事が出来る。

しかし、車のような実用車で、街乗り中心の乗り物に、8段以上の変速段数が必要なのか?というと、やはり疑問しかない。特に、無断変速ともなると、エンジンの回転数を変える必要があるのか?という風にしか思えない。無断変速の場合、初動のみエンジンの回転数を上げて車速を稼ぎ、一定の速度以上となるとギア比の調整で速度を調整するもの。
変速を無断とするために、どうしても駆動側と被駆動側を結ぶベルトテンションによるロスも生まれる。そして、変速比の制御はアクセルワークに対応して行われるのだろうけど、アクセルワークがスロットルの開け方ではなく、変速比の制御を行っていると言う事にも違和感を感じてしまう。

やはり、段数は程々に、そしてスロットルワークに伴うエンジン回転の上昇で速度上昇を得るというスタイルが一番自然のように感じる。

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